3. ユーロ圏景況感指数
S&Pグローバルがまとめた3月のユーロ圏のHCOB総合購買担当者景気指数(PMI)改定値は50.9で景況拡大と縮小の分かれ目となる50を3カ月連続で上回った。製造業に回復の兆しが出るとともに、サービス業も成長が加速した。総合PMIは2月の50.2から上昇し、速報値の50.4から上方改定された。ただ依然長期平均を下回っている。ハンブルク商業銀行(HCOB)のチーフエコノミストは「昨年末、ユーロ圏は景気後退に向かっているように見えたが、今年に入ってやや安定してきた」と述べた。ただ「米国の関税はユーロ圏の経済を再び軌道修正する可能性がある」と指摘した。製造業の持ち直しは、関税引き上げを前に米国からの発注が前倒しされたことが大きいとみている。総合PMIの上昇は、企業が未完了の受注を消化したことが主因。受注残指数は47.3から47.1に低下し3カ月ぶりの低水準となった。サービスPMIは50.6から51.0に上昇した。速報値では50.4に低下していた。欧州中央銀行(ECB)が注視するサービス価格は3月に上昇が鈍化。PMIでも投入価格指数、産出価格指数ともに低下した。
米国の金融情報サービス大手S&P グローバル(S&P Global Inc.) |
米ニューヨーク市に本拠を置く金融サービス企業。S&P グローバル・レーティングやS&P ダウ・ジョーンズ・インデックスなど、四事業体の親会社にあたる。旧社名はマグロウヒル・ファイナンシャル。S&P グローバルは金融サービス企業であるが、旧社名のマグロウヒルは出版社であり、金融サービス業との関係は、スタンダード&プアーズの買収以降となる。スタンダード&プアーズは、1906年にルーサー・リー・ブレイクが設立したスタンダード統計(Standard Statistics Bureau)と、1860年にヘンリー・ヴァーナム・プアーが創業したプアー出版(H.V. and H.W. Poor Co.)が、1941年に合併して発足した。1966年、マグロウヒルはスタンダード&プアーズを買収し、以降、出版社が金融サービス業を子会社の事業として抱える形態が続いた。1995年に社名をThe McGraw-Hill Companiesに変更。2009年12月にブルームバーグにビジネスウィーク誌を売却した。2013年5月1日に、マグロウヒルはマグロウヒル・ファイナンシャルに社名変更、2016年4月、子会社のJDパワーを売却、またS&P グローバルに社名変更した 。 |