2. 米非製造業景況感指数：非製造業回答者の声
Services PMI® at 50.8%
March 2025 Services ISM® Report On Business®
| Index | 指数 | 1月 | 2月 | 3月 | |
| 1. | Business Activity Index | 事業活動指数 | 54.5 | 54.4 | 55.9 |
| 2. | New Orders Index | 新規注文指数 | 51.3 | 52.2 | 50.4 |
| 3. | Employment Index | 雇用指数 | 52.3 | 53.9 | 46.2 |
| 4. | Supplier deliveries index | サプライヤー出荷指数 | 53.0 | 53.4 | 50.6 |
This report reflects the U.S. Department of Commerce’s recently completed annual adjustments to the seasonal adjustment factors used to calculate the indexes.
（本報告書は米国商務省の直近に発表された年間調整を本指数計算での季節調整済み要因に反映している）
【解説】
米サプライマネジメント協会（ISM）が3日発表した3月の米非製造業（サービス業）景況感指数は前月から2.7ポイント低下し、50.8となった。2024年6月以来、9カ月ぶりの低水準を記録した。雇用関連の指数の悪化が目立つ。米経済の先行き不透明感が高まる中、消費減速への懸念が高まっている。サービス業景況感指数は52.9を見込んでいた市場予想（ダウ・ジョーンズまとめ）も下回った。好不況の分かれ目となる50は9カ月連続で上回っている。項目別では、雇用環境を映す指数が前月比7.7ポイント下がり46.2、新規受注指数が同1.8ポイント下がり50.4となった。企業活動を表す指数は同1.5ポイント上がり55.9となった。大手米銀ウェルズ・ファーゴは「多くの人が、関税政策の影響を見極めようとしている」と指摘する。関税策の強化で（物価上昇と景気停滞が同時に進む）スタグフレーションのリスクが高まっていることから、「国内の輸入業者はコストを抑えるために人件費を削る可能性がある」と見ている。調査対象の企業からは新政権の政策による影響を不安視する声が複数あがった。
サービス業回答者の声WHAT RESPONDENTS ARE SAYING
| 1 | Accommodation & Food Services 宿泊・飲食サービス | レストランの売上と物流は、この1ヶ月で全体的に改善した。聖バレンタイン日は通常、季節的な傾向の改善の始まりであり、今年も一貫していた。景気後退の可能性や関税に関する最近のニュースにも関わらず、今後数ヶ月間については楽観的な見方を続けている。 |
| 2 | Construction 建設工事 | アルミ関税の影響が見え始めている。これらのコストは顧客に転嫁されるだろう。 |
| 3 | Health Care & Social Assistance 健康管理・社会支援 | 患者数は引き続き予想を上回っており、増収と財務見通しの改善に繋がっている。サプライチェーンは引き続き効果的に運営されており、点滴処置を含め、苦境の兆しを見せている分類は殆どない。労働力の見通しは改善傾向にあり、出張職員への依存は引き続き後退している。当四半期の見通しは良好である。 |
| 4 | Information 情報 | 関税は特に砕木パルプ市場に問題を引き起こしている。カナダから米国に輸入される砕木パルプの量が多いため、関税とそれに伴う遅れがサプライチェーンと納期に大混乱を引き起こしている。米国の工場は、追加で引き受けたトン数により、滞留や遅れが生じている。 |
| 5 | Professional, Scientific & Technical Services 専門・科学・技術サービス | 米国経済では、雇用と人材確保に関連した緩みが見られる。質の高い候補者はおり、従業員の離職率は低下している。サプライヤーが有機的な収益増加を求めているため、商品やサービスに対する競争圧力が高まっている。 |
| 6 | Wholesale Trade 卸売業 | 関税の混乱とサプライヤーの様々な対応が、今月の当社の購買決定に強い影響を及ぼし、支出を見直し、場合によっては関税が報告される前に事前に購入することを検討している。 |
| 7 | Public Administration 行政 | 政府予算の削減と一時帰休（レイオフ）が業務に悪影響を及ぼしている。 |
| 8 | Other Services その他サービス | 新政権の不確実性とインフレ抑制法IRAの一部中止により、先月から新規設備購入が鈍化している。 |
| 9 | Transportation & Warehousing 運輸・倉庫 | 新政権が助成金の利用を目標とし、現在の支出を抑制する場合に備えて、緊急用に幾らかの資金を確保している。 |
| 10 | Utilities 公益事業 | 水道設備を含む幾つかの相場商品ベースの契約における関税のため、近い将来値上げが予想される。 |