2024年12月報告

3. ユーロ圏景況感指数

S&Pグローバルがまとめた11月のユーロ圏HCOB総合購買担当者景気指数(PMI)改定値は48.3と、前月の50.0から大幅に低下した。製造業に続いてサービス業も不況を示す水準となった。速報値の48.1から小幅に上方修正されたが、好不況の分かれ目となる50を下回った。ハンブルク商業銀行のチーフエコノミストは「経済全体を支えてきたサービス部門は1月以来初めて縮小に転じた」と指摘。ユーロ圏の主要3カ国でこの傾向が見られるとして、「全体的な成長見通しにとって悪いニュースだ」と述べた。サービス部門PMI改定値は49.5と、1月以来初めて50を下回った。先月は51.6だった。総合新規事業指数は今年最低だった前月の47.9から46.8に低下した。全体的な需要が急減し、短期的な改善が見込めないことが示された。ただ、サービス企業では雇用が拡大し、雇用指数は10月の50.3から51.0に上昇した。

米国の金融情報サービス大手S&P グローバル(S&P Global Inc.)
米ニューヨーク市に本拠を置く金融サービス企業。S&P グローバル・レーティングやS&P ダウ・ジョーンズ・インデックスなど、四事業体の親会社にあたる。旧社名はマグロウヒル・ファイナンシャル。S&P グローバルは金融サービス企業であるが、旧社名のマグロウヒルは出版社であり、金融サービス業との関係は、スタンダード&プアーズの買収以降となる。スタンダード&プアーズは、1906年にルーサー・リー・ブレイクが設立したスタンダード統計(Standard Statistics Bureau)と、1860年にヘンリー・ヴァーナム・プアーが創業したプアー出版(H.V. and H.W. Poor Co.)が、1941年に合併して発足した。1966年、マグロウヒルはスタンダード&プアーズを買収し、以降、出版社が金融サービス業を子会社の事業として抱える形態が続いた。1995年に社名をThe McGraw-Hill Companiesに変更。2009年12月にブルームバーグにビジネスウィーク誌を売却した。2013年5月1日に、マグロウヒルはマグロウヒル・ファイナンシャルに社名変更、2016年4月、子会社のJDパワーを売却、またS&P グローバルに社名変更した 。