2024年9月報告

3. ユーロ圏景況感指数

S&Pグローバルがまとめた8月のユーロ圏のHCOB製造業購買担当者景気指数(PMI)改定値は45.8と、好不況の分かれ目となる50を引き続き下回った。需要の減少ペースは今年最大で、回復にはしばらく時間がかかる可能性がある。速報値の45.6からは小幅に上方修正された。生産指数は7月の45.6から45.8に上昇。速報値の45.7を僅かに上回った。ハンブルク商業銀行は「事態は急速に悪化している。製造業は閉塞状況から抜け出せていない。業況は3カ月連続で確実に悪化しており、PMIは26カ月以上、50を下回っている。国内外を問わず新規受注がさらに鈍化しており、目先の回復期待は打ち砕かれている」と指摘した。新規受注指数は44.1から43.3に低下。昨年12月以来の低水準となった。海外受注の減少ペースも今年最大だった。製造業者は16カ月ぶりに値上げを実施。フランス、オランダ、ギリシャ、イタリアなどで値上げが行われた。

同銀行は「これは欧州中央銀行(ECB)にとって問題になるかも知れない。ECBは工業品の価格低下に頼りながら、サービス価格の根強いインフレに対処して、ディスインフレの軌道を維持してきた」と述べた。

米国の金融情報サービス大手S&P グローバル(S&P Global Inc.)
米ニューヨーク市に本拠を置く金融サービス企業。S&P グローバル・レーティングやS&P ダウ・ジョーンズ・インデックスなど、四事業体の親会社にあたる。旧社名はマグロウヒル・ファイナンシャル。S&P グローバルは金融サービス企業であるが、旧社名のマグロウヒルは出版社であり、金融サービス業との関係は、スタンダード&プアーズの買収以降となる。スタンダード&プアーズは、1906年にルーサー・リー・ブレイクが設立したスタンダード統計(Standard Statistics Bureau)と、1860年にヘンリー・ヴァーナム・プアーが創業したプアー出版(H.V. and H.W. Poor Co.)が、1941年に合併して発足した。1966年、マグロウヒルはスタンダード&プアーズを買収し、以降、出版社が金融サービス業を子会社の事業として抱える形態が続いた。1995年に社名をThe McGraw-Hill Companiesに変更。2009年12月にブルームバーグにビジネスウィーク誌を売却した。2013年5月1日に、マグロウヒルはマグロウヒル・ファイナンシャルに社名変更、2016年4月、子会社のJDパワーを売却、またS&P グローバルに社名変更した 。