2024年9月報告

2. 米非製造業景況感指数:非製造業回答者の声

Services PMI® at 51.5%

August 2024 Services ISM® Report On Business®

 Index指数6月7月8
1.Business Activity Index事業活動指数49.654.553.3
2.New Orders  Index新規注文指数47.352.453.0
3.Employment Index雇用指数46.151.150.2
4.Supplier deliveries indexサプライヤー出荷指数52.247.649.6

This report reflects the U.S. Department of Commerce’s recently completed annual adjustments to the seasonal adjustment factors used to calculate the indexes.

(本報告書は米国商務省の直近に発表された年間調整を本指数計算での季節調整済み要因に反映している)

【解説】

米サプライマネジメント協会(ISM)が5日発表した8月の米非製造業(サービス業)景況感指数は前月より0.1ポイント高い51.5だった。好不況の分かれ目となる50を2カ月連続で超え、市場予想(51.1)も上回った。米景気を支える労働市場には減速感が出ているものの、サービス需要はなお底堅い様子を映した。項目別では新規受注の指数が前月比0.6ポイント上昇し、53.0になった。企業活動を表す指数は1.2ポイント低い53.3になった。雇用環境を映す指数は0.9ポイント低下し、50.2になった。節目の50は上回ったが、企業の求人や採用活動が徐々に落ち着いている様子を示した。企業の仕入れ価格を示す指数は0.3ポイント高い57.3で、調達コストの上昇が根強いインフレに繋がる芽も残している。回答者からは「ビジネスは好調だが、商品納入先のレストランなどの客足が鈍る懸念がある」(農林水産業)など先行きの不安を示す声が上がった。「経済や政治の不確実性が増す中で企業はコスト管理に努めており、従業員の解雇は幅広い企業や業界で続いている」(企業経営・支援サービス)との見方もあった。米調査会社パンテオン・マクロエコノミクスのシニア米国エコノミストは、サービス業景況感が好況の水準を維持したことを踏まえ「景気後退が間近に迫っているという懸念は和らいだが、企業活動の指数が低下するなど、サービス業の成長は止まっている」と指摘した。S&Pグローバルが5日発表した8月の米国購買担当者景気指数(PMI、確定値)のサービス業は、前月から0.7ポイント上昇し55.7だった。米国ではサービス業が底堅さをみせる一方、製造業の活動は低調になっている。

サービス業回答者の声WHAT RESPONDENTS ARE SAYING

1Agriculture, Forestry, Fishing & Hunting  農業、林業、漁業、狩猟概して、景気は好調だが、レストランやその他の販売先では、足が遠のく懸念がある。
2Construction 建設工事住宅市場は借入コストの上昇により引き続き低迷している。業界の全分野が影響を受けている。一戸建て分譲住宅、賃貸住宅、集合住宅全てが影響を感じている。
3Management of Companies & Support Services 企業経営と支援サービス経済・政治情勢が不透明な時期に、企業がコスト抑制に努める中で、従業員、請負業者、コンサルタントの雇用は減少を続けている。従業員の解雇は幅広い企業や業界で続いている。
4Health Care & Social Assistance        医療・健康管理・社会福祉景気は堅調が続いている。
5Information       情報全体的に景気は改善している。
6Professional, Scientific & Technical Services 専門・科学・技術サービス景気が減速し、人材の確保が以前にも増して難しくなっているが、求人数も減少している。
7Transportation & Warehousing運輸・倉庫景気と事業が活発化している。
8Utilities公益事業安定した金利が非規制事業への投資に影響を与えている。
9Wholesale Trade    卸売業食品コストの高騰が顧客需要に衝撃を与えており、販売実績の低迷により全体として負の成長となっている。企業活動は安定しており、サプライヤーコストは概ね横這いである。
10Finance & Insurance金融・保険事業活動は活発化している。