2024年5月報告

3. ユーロ圏景況感指数

S&Pグローバルがまとめた4月のユーロ圏のHCOB総合購買担当者景気指数(PMI)改定値は51.7で3月の50.3から上昇し昨年5月以来の高水準となった。サービス業の好調が寄与し、好不況の分かれ目である50を2カ月連続で上回った。速報値の51.4から上方修正された。ハンブルク商業銀行(HCOB)のチーフエコノミストは「サービス業は3カ月連続で拡大した。昨年後半の失速局面は終わった」と述べた。サービスPMIは53.3で3月の51.5、速報値の52.9を上回り、昨年5月以来の高水準となった。

先行きの見通しは全体的になお良好。雇用指数は52.3から53.5に上昇した。サービス企業は回復の持続を予想している。新規事業の増加、ここ11カ月で最大となる受注の伸びとともに、雇用の増加も加速している。製造業は一段と悪化したが、サービス部門が好調だった。

製造業が不振でサービスが好調という構図はドイツとフランスでも顕著に見られた。コメルツ銀行は「ユーロ圏経済は成長に戻った。サービスPMIは4月、一段と上昇した。しかし、製造業PMIの予想外の低下で、状況が暗くなっている」との見方を示した。ユーロ圏は第2・四半期、好スタートを切った。総合PMI速報値は拡大域に大きく踏み込んだ。これはサービス部門に牽引されたもので、同部門の活動は更に勢いを増した。

米国の金融情報サービス大手S&P グローバル(S&P Global Inc.)
米ニューヨーク市に本拠を置く金融サービス企業。S&P グローバル・レーティングやS&P ダウ・ジョーンズ・インデックスなど、四事業体の親会社にあたる。旧社名はマグロウヒル・ファイナンシャル。S&P グローバルは金融サービス企業であるが、旧社名のマグロウヒルは出版社であり、金融サービス業との関係は、スタンダード&プアーズの買収以降となる。スタンダード&プアーズは、1906年にルーサー・リー・ブレイクが設立したスタンダード統計(Standard Statistics Bureau)と、1860年にヘンリー・ヴァーナム・プアーが創業したプアー出版(H.V. and H.W. Poor Co.)が、1941年に合併して発足した。1966年、マグロウヒルはスタンダード&プアーズを買収し、以降、出版社が金融サービス業を子会社の事業として抱える形態が続いた。1995年に社名をThe McGraw-Hill Companiesに変更。2009年12月にブルームバーグにビジネスウィーク誌を売却した。2013年5月1日に、マグロウヒルはマグロウヒル・ファイナンシャルに社名変更、2016年4月、子会社のJDパワーを売却、またS&P グローバルに社名変更した 。