2024年5月報告

5. 内閣府景気ウォッチャー調査

4月の現状判断DI(季節調整値)は、前月差2.4ポイント低下の47.4となった。家計動向関連DIは、飲食関連等が低下したことから低下した。企業動向関連DIは、製造業等が低下したことから低下した。雇用関連DIについては、低下した。4月の先行き判断DI(季節調整値)は、前月差2.7ポイント低下の48.5となった。雇用関連DIが上昇したものの、家計動向関連DI及び企業動向関連DIが低下した。

なお、原数値でみると、現状判断DIは前月差2.2ポイント低下の50.2となり、先行き判断DIは前月差2.6ポイント低下の49.3となった。

今回の調査結果に示された景気ウォッチャーの見方は、「景気は、緩やかな回復基調が続いているものの、このところ弱さがみられる。また、令和6年能登半島地震の影響もみられる。先行きについては、価格上昇の影響等を懸念しつつも、緩やかな回復が続くとみている。」とまとめられる。

内閣府景気ウォッチャー調査
地域の景気に関連の深い動きを観察できる立場にある人々の協力を得て,地域ごとの景気動向を的確かつ迅速に把握し,景気動向判断の基礎資料とすることを目的とする。調査は毎月,当月時点であり,調査期間は毎月25日から月末である。本調査業務は,内閣府が主管し,下記の「取りまとめ調査機関」に委託して実施している。各調査対象地域については,地域ごとの調査を実施する「地域別調査機関」が担当しており,「取りまとめ調査機関」において地域ごとの調査結果を集計・分析している。

2.サプライチェーン関連記事抜粋令和6年4月1日~4月30日 ※太字用語解説

 主題概要
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≪用語解説:記事内の用語と企業を確認しましょう≫

小米がEV、テスラの半値 スマホと車つなぐ:中国発、革新の伏兵 アップル断念の夢が現実に
スマートフォン世界大手の中国・小米(シャオミ)が電気自動車(EV)に新規参入した。初のEV「SU7」は、米テスラや独ポルシェを上回る性能ながらも半値以下にした。EVをスマホや家電とつなぎ、人々の生活の隅々に入り込む「小米圏」の構築も掲げた。米アップルは「Appleカー」構想を断念したが、中国発の伏兵が現実にした。



小米がEV、テスラの半値 スマホと車つなぐ 中国発、革新の伏兵 アップル断念の夢が現実に - 日本経済新聞
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