2025年3月報告

5. 内閣府景気ウォッチャー調査

2月の現状判断DI(季節調整値)は、前月差3.0ポイント低下の45.6となった。家計動向関連DIは、住宅関連が上昇したものの、小売関連等が低下したことから低下した。企業動向関連DIは、非製造業等が低下したことから低下した。雇用関連DIについては、上昇した。2月の先行き判断DI(季節調整値)は、前月差1.4ポイント低下の46.6となった。雇用関連DIが上昇したものの、家計動向関連DI及び企業動向関連DIが低下した。なお、原数値でみると、現状判断DIは前月差0.4ポイント低下の45.1となり、先行き判断DIは前月差0.5ポイント上昇の48.4となった。今回の調査結果に示された景気ウォッチャーの見方は、「景気は、緩やかな回復基調が続いているものの、このところ弱さがみられる。先行きについては、緩やかな回復が続くとみているものの、引き続き価格上昇の影響等に対する懸念がみられる。」とまとめられる。

内閣府景気ウォッチャー調査
地域の景気に関連の深い動きを観察できる立場にある人々の協力を得て,地域ごとの景気動向を的確かつ迅速に把握し,景気動向判断の基礎資料とすることを目的とする。調査は毎月,当月時点であり,調査期間は毎月25日から月末である。本調査業務は,内閣府が主管し,下記の「取りまとめ調査機関」に委託して実施している。各調査対象地域については,地域ごとの調査を実施する「地域別調査機関」が担当しており,「取りまとめ調査機関」において地域ごとの調査結果を集計・分析している。

2.サプライチェーン関連記事抜粋令和7年2月1日~2月28日

 主題概要
1武田薬品ウェバーCEO退任:2026年6月 後任はキム氏就任10年のウェバー氏は、経営改革に一定のメドが立ったと判断した。
2TOTO 半導体が成長の糧高機能セラミック「後工程」に進出 トイレ技術活用、新工場も
3空調修理 世界で1000人増員ダイキン、M&Aで人材確保 サービスきめ細かく
4「優等生」ルワンダに批判コンゴ民主共和国の武装勢力支援 領土拡大へ野心;強権国家の一面
5蚕、伝統産業から健康産業へ新興企業、豚飼料にワクチン成分 タンパク質を効率生産
6豪レアアース、「脱中国」遠く  地下に眠る砂状鉱物、自国で加工難しく 中国レアアース大手「盛和資源」の存在不可欠
7「ROE革命」ついに来るか効率と成長、株高持続のカギ 日本企業のROE、米国に見劣り
8OKI、事務機連合に合流リコー・東芝と拠点や技術連携 「基盤強化、人材生かす」
9長引く果汁不足 対応急ぐ国内飲料メーカー、オレンジ不作で 9割が輸入頼み;イスラエル産調達
10東南アジア、EUとFTA再開米関税の影響 緩和狙う タイ年内、フィリピンは27年妥結目指す
11ロシア同盟国に流出日米欧製の半導体部品 中国介し制裁対象企業に
12「高品位」鉄鉱石で巻き返しリオティント:三井物産と新鉱山開発 需要減、脱炭素向け開拓

≪用語解説:記事内の用語と企業を確認しましょう≫

②TOTO、半導体が成長の糧:高機能セラミック「後工程」に進出 トイレ技術活用、新工場も
トイレ最大手のTOTOが半導体向け事業を多角化する。半導体の複雑な加工に貢献するセラミックの利用が、製造装置の素材として広がっている。TOTOは次世代品を開発して「後工程」に進出し、生産体制を増強する。新工場の建設も視野に入れる。半導体の技術を衛生陶器にも活用し、全社の成長の糧とする。


③空調修理 世界で1000人増員:ダイキン、M&Aで人材確保 サービスきめ細かく

ダイキン工業は今後1年強で点検や修理などを担うエンジニアを1000人増やす。M&A(合併・買収)も活用して各地で人員を確保し、先端技術を使って育成する。気候変動の影響などを受け世界で空調需要が増えるなか、アフターサービスが手厚いブランドのイメージを築く。ダイキンは工場で空調の製造を一部自動化する取り組みも進めているが、サービス事業は自動化が難しい。

⑤蚕、伝統産業から健康産業へ:たんぱく質を効率生産 新興、豚飼料にワクチン成分
蚕をバイオや食品産業に転用する動きが広がりつつある。九州大学発のKAICO(福岡市)は蚕に特定のたんぱく質を発現させ、豚の飼料に加えて病気を予防する実験をベトナムで始めた。蚕の幼虫を粉末状にして代替たんぱく源として販売する企業もある。日本の伝統産業を支えてきた蚕が健康産業の素材へと脱皮しようとしている。  

 
⑨長引く果汁不足、対応急ぐ 国内飲料メーカーがオレンジ不作で サントリー系、病害に強い新品種
オレンジ不作が飲料業界を揺さぶっている。サントリーグループは主要なオレンジ飲料の発売を休止し、病害に強い品種の開発に乗り出した。トモヱ乳業(茨城県古河市)はイスラエル産原料の輸入を増やす。オレンジは長期的な不足が見込まれており、各社の対策は今後の競合関係を決める可能性がある。