2025年3月報告

2. 米非製造業景況感指数:非製造業回答者の声

Services PMI® at 53.5%

February 2025 Services ISM® Report On Business®

 Index指数12月1月2
1.Business Activity Index事業活動指数58.254.554.4
2.New Orders  Index新規注文指数54.251.352.2
3.Employment Index雇用指数51.452.353.9
4.Supplier deliveries indexサプライヤー出荷指数52.553.053.4

This report reflects the U.S. Department of Commerce’s recently completed annual adjustments to the seasonal adjustment factors used to calculate the indexes.

(本報告書は米国商務省の直近に発表された年間調整を本指数計算での季節調整済み要因に反映している)

【解説】

米サプライマネジメント協会(ISM)米サプライマネジメント協会(ISM)が5日発表した2月の米非製造業(サービス業)景況感指数は前月から0.7ポイント上昇し、53.5となった。好不況の分かれ目となる50を8カ月連続で上回った。非製造業景況感指数は53.5と、前月から0.7ポイント上昇し、ブルームバーグの市場予想(52.5)も上回った。雇用を中心に全体としては堅調な数値となっているが、関税引き上げをはじめとするトランプ政権の政策の影響が徐々に顕在化し始めている。項目別では、指数の構成要素であるビジネス活動(54.4)、新規受注(52.2)、雇用(53.9)、供給(53.4)の4つの指標全てが基準値の50を上回った。構成要素以外では、製造業景況感指数と同様に、価格(62.6)が高水準となっている。価格上昇の要因には、トランプ政権によって鉄鋼・アルミニウム関連製品などへの関税引き上げが既に決定されている商品に加え、労働コストの上昇もあるもようだ。特に建設業労働力は3カ月連続で供給不足に伴うコストの上昇がみられており、移民政策変更の影響が出始めている可能性がある。業種別では、全18業種のうち、14業種が拡大、3業種が縮小と回答した。ISMサービス業調査委員会のスティーブ・ミラー会長は今回の結果について、「4つの指標の全てが3カ月連続で拡大し、これは2022年5月以来初めてのことだ」と評価した。一方、「関税の潜在的な影響に対する不安は続いている。一部の回答者は、連邦政府の支出削減がビジネス予測にマイナスの影響を与えていると指摘した」とも述べており、今後の動向はなお予断を許さない。企業のコメントでは、関税の影響についてはまちまちの状況で、「購入する資本設備の大部分は米国製ではなく、設備を構成する部品も海外メーカー製のため、米国内での価格が予想以上に上昇していることが確認されている」(建設業)など、既に影響が出始めている業種が見られる一方で、いまだ不確実性が上昇しているとの認識に留まっているとする業種も複数みられた。既に関税引き上げが決定している鉄鋼・アルミニウムの影響を受けやすい業種か否かによって、足元のビジネスの状況に差異が出ているもようだ。また、教育サービスなど連邦政府の支出凍結の影響を指摘する声もみられた。

サービス業回答者の声WHAT RESPONDENTS ARE SAYING

1Accommodation & Food Services 宿泊・飲食サービス関税措置は、情報、価格措置、予測、先買いにおいて混乱を引き起こした。従って、人為的に購買意欲を煽り、その後に購買意欲を減退させる可能性がある。
2Agriculture, Forestry, Fishing & Hunting    農業、林業、漁業、狩猟業関税やその他の潜在的な政府措置のリスクにより、将来の事業活動に大きな不確実性がある。
3Educational Services 教育サービス大学は、連邦政府の支援プログラムに関する現在の潜在的な変化を消化中である。
4Construction 建設工事関税の導入は、当社建設プロジェクトに大きなコスト的衝撃を与えるだろう。当社が購入する資本設備の大部分は米国製ではなく、設備を構成する部品も海外メーカー製のため、米国内での価格が予想以上に上昇していることが確認されている。また、当社は、既に米国価格が先を見越しての上昇を見ているが、これは前回の関税導入時の米国サプライヤーの反応と類似している。  
5Management of Companies & Support Services   企業経営と支援サービス関税に関する懸念。まだ影響はない。  
6Health Care & Social Assistance 健康管理・社会支援先月は複数の天候不順があった。幾つかの施設は閉鎖されたり、開館が遅れたりした。ノロウイルスやその他のウイルスにより、救急部門と緊急治療施設は混雑している。
7Information       情報関税は波及効果をもたらし、当社事業に深刻な打撃を与えかねない。
8Professional, Scientific & Technical Services 専門・科学・技術サービス選挙後はビジネスが弾けたように見えたが、選挙後の不透明感が「営業から風を吹かせた」など自信を失わせるようで、再び不透明感が増している。
9Wholesale Trade      卸売業天候は最悪である。寒くて雪が降っていない時、雨が降っているようだ。それが今のところ最大の障壁だと思う。関税の問題が木材市場に不透明感をもたらしているが、需要がなければ木材価格はあまり動かないはずだ。手頃な価格と高金利は、依然逆風だが、感情的には良好のようだ。
10Public Administration 行政連邦政府の資金凍結に関連し、月初に契約の不確実性が見られたが、今日現在、業務 は、ほぼ正常化している。