4. 中国の製造業景況感
財新/S&Pグローバルが3日発表した2月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)は50.8と前月の50.1から上昇し、3カ月ぶりの高水準となった。市場予想の50.3も上回った。
輸出受注が回復するなど需給が堅調だった。連休に関連した季節要因も影響した。中国国家統計局が1日発表した2月の製造業PMIも50.2に上昇し、3カ月ぶりの高水準となっていた。 財新智庫のエコノミストは「休暇期間に底堅い消費の勢いが見られたほか、一部産業の技術革新が前向きな心理を支え、製造業の回復を後押しした」と述べた。2月は生産が前月から加速し、新規受注も3カ月ぶりの速いペースで増加した。新規輸出受注は昨年4月以来のペースで拡大した。ただ、銅や化学品など原材料をはじめとした投入コストが上昇し、利益率を圧迫した。製造業者はこうした課題を軽減するためコスト削減に注力した。雇用が引き続き減少したほか、産出価格も低迷が続き、価格決定力の弱さを示した。それでも、内需回復の兆しや政府の追加景気支援策への期待から、企業の景況感は前月から改善した。トランプ米大統領は先週、2月4日に発動した中国に対する10%の追加関税に更に10%を上乗せする措置を3月4日に実施すると表明した。 財新智庫エコノミストは時宜を得た政策支援の重要性を強調し、「3月は重要な政策の機会だ。支援措置は市場の期待や社会の懸念に対応し、経済の首脳なボトルネックに焦点を置くべきだ」と述べた。
中国国家統計局PMIは製造業3200社を対象に調べる。新規受注や生産、従業員数など項目ごとに調査する。50を上回れば前月より拡大、下回れば縮小を示す。 |
PMI(中国製造業購買担当者景気指数) |
全国の製造業約820社の購買担当者を対象にしたアンケート調査。生産や受注について50を上回ると拡大,下回ると減少を示す。非製造業には建設,郵便,ソフトウェア,航空,鉄道,小売り,ケータリングが含まれる。 |
2009年設立の財新/S&Pグローバルの月例まとめ |
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