4. 中国の製造業景況感
財新/S&Pグローバルが1日発表した1月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)は50.8と、前月から横這いとなり、景況拡大・悪化の分かれ目となる50を上回った。生産が安定した伸びを示したほか、昨年6月以来初めて新規輸出受注が増加した。財新智庫のシニアエコノミストは「迅速な物流、調達の拡大、在庫の増加は景況感改善の反映だ」としつつ、雇用は依然として縮小しており、物価水準は抑制され、「デフレ圧力が持続している」と指摘した。新規輸出受注が小幅ながら拡大したことは外需が改善し始めた兆候かも知れないが、連休となる春節(旧正月、今年は2月10日)の影響を受けた可能性もある。
一方、中国国家統計局が31日発表した1月の製造業PMIは49.2で昨年12月の49.0から上昇したものの、50を4カ月連続で下回った。 これらの結果を総合すると、景気は依然として冴えず、更なる政策支援が必要なことを示している。
中国国家統計局PMIは製造業3200社を対象に調べる。新規受注や生産、従業員数など項目ごとに調査する。50を上回れば前月より拡大、下回れば縮小を示す。 |
PMI(中国製造業購買担当者景気指数) |
全国の製造業約820社の購買担当者を対象にしたアンケート調査。生産や受注について50を上回ると拡大,下回ると減少を示す。非製造業には建設,郵便,ソフトウェア,航空,鉄道,小売り,ケータリングが含まれる。 |
2009年設立の財新/S&Pグローバルの月例まとめ |
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