2022年1月報告

4. 中国の製造業景況感

財新/マークイットが4日発表した12月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)は50.9となり、6月以来の高水準を記録した。生産が増加し物価圧力が和らいだ。一方で、雇用市場と景況感は引き続き軟調で先行き不透明感が増している。エコノミスト予想は50だった。 11月は49.9と、業況改善・悪化の節目である50を割り込んでいた。財新の製造業PMIは、12月31日に国家統計局が発表した製造業PMIの堅調と一致する。国家統計局の12月製造業PMIは50.3と、11月の50.1から上昇し、市場の予想に反して上昇した。財新PMIは、物価圧力の弱まりにより生産が1年ぶりのペースで増加した。投入価格指数は2020年5月以来の水準に低下した。製造業の重荷となっていた原材料価格の高騰は、政府の供給拡大や価格安定に向けた取り組みでこのところ収まりつつある。一方、新規輸出受注は小幅ながらも減少。雇用も縮小が続き、雇用指数は2月以来の低水準となった。エコノミストは「供給は好調で、需要は回復した。供給制約の緩和により生産は2カ月連続で拡大し、ペースも加速した」と指摘。「ただ、雇用市場は依然として圧力を受けており、企業の楽観姿勢は強まっておらず、景気回復が不安定な状態であることを示している。度重なる新型コロナの感染拡大と海外需要の低迷が不安定要因だ」と説明した。

※PMI(中国製造業購買担当者景気指数)は全国の製造業約820社の購買担当者を対象にしたアンケート調査。生産や受注について50を上回ると拡大,下回ると減少を示す。非製造業には建設,郵便,ソフトウェア,航空,鉄道,小売り,ケータリングが含まれる。