景気動向指数 2021.02

3.おわりに

先月は「医師と業界の癒着、後たたず」という記事から執筆したが、舌の根も乾かぬ内に、今度は「NHK元職員 懲戒免職相当 パソコンなど不正受領 刑事告訴の方針」の報道があった。NHK報道局総務部の元職員が、在職中の去年、上司に無断で、取引先にノートパソコンなどおよそ530万円分を発注し、不正に受け取っていました。NHKは元職員を懲戒免職相当にすることを決め今後、刑事告訴する方針という。

NHK報道局総務部の30歳の元職員は、在職中の去年9月から10月にかけて上司に無断で、取引先3社にノートパソコンやハードディスクなど35点、合わせて529万4718円分を発注し、不正に受け取っていた。元職員は当時、局内の備品の整備や管理などを担当していて、発注した物品と取引先からの請求書を自分で直接受け取る一方、支払いの手続きをせず、引き延ばしていた。元職員は、不正が発覚する前の去年11月に依願退職していてNHKは、5日、懲戒免職相当にすることを決めるとともに、元職員が調査に応じておらず弁済の意思を示していないことから、刑事告訴する方針。

その上で、再発防止策として報道局総務部では、物品の発注手続きを厳格化し、取引先との発注ルールを確認・徹底することにしている。NHKは「職員としてあるまじき行為であり、厳しく対処すべきと判断した。視聴者の皆様に深くお詫びする。再発防止に向け、業務管理を一層徹底していく」とコメントした。

この事件は、非常に原始的な事件でコメントもしたくないが民間企業でも十分に起こりえることだ。筆者は大学の講義でも、また一般の講演でもしばしば口にするのは三権分立である。つまり、組織内の三つの部署:要求元・購買・経理(現場の使う人・買う人・払う人)が同じでないことが原則で相互に牽制し合うことが大切だと言っている。以下に一昨年、愛知の大学で使ったスライドを掲げるが、この月報の読者には当たり前過ぎるが、中小企業では往々にして見過ごされがちである。

三権分立:要求元・購買・経理

月報編集室:主筆 上原 修 CPSM, C.P.M. JGA

特定非営利活動法人 日本サプライマネジメント協会