④ 中国の製造業景況感
IV 中国の製造業景況感
財新/マークイットが4日発表した2020年12月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)は53.0だった。景況改善・悪化の分岐点となる50を上回ったものの、コスト圧力の高まりにより11月の54.9から低下した。アナリスト予想は54.8だった。エコノミストは「パンデミックの国内経済へのマイナスの影響は一段と低下し、製造業は回復を続けている。需要と供給サイドは共に改善しており、海外需要もしっかりと増加した」と説明した。一方、投入価格指数は大幅上昇し、2017年以来の高水準となった。金属を中心とした原材料価格高が背景にある。雇用指数は若干低下し、4カ月ぶりに製造業部門の人員削減が新規採用を上回ったことが示された。エコノミストは「原材料価格高騰によるコスト圧力の高まりと、それが雇用に及ぼす影響を注視する必要がある。これはパンデミック時に講じた景気刺激策からの出口戦略立案で特に重要な点だ」と指摘した。新規受注と生産の指数は前月から低下したが、引き続き底堅い水準を維持している。新規輸出受注の伸びも鈍化した。コロナ感染拡大後の景気回復は今後数カ月続き、マクロ経済指標は、比較対象となる2020年上期が低水準だったことを踏まえると、今後半年堅調な数字になるだろう。
※PMI(中国製造業購買担当者景気指数)は全国の製造業約820社の購買担当者を対象にしたアンケート調査。生産や受注について50を上回ると拡大,下回ると減少を示す。非製造業には建設,郵便,ソフトウェア,航空,鉄道,小売り,ケータリングが含まれる。