④ 中国の製造業景況感
財新インサイト・グループのシニアエコノミストはPMI発表に伴うノートで「国内での新型コロナ流行による影響が薄れる中、製造業は引き続き回復しており、経済の正常化がますます進んでいる」「需要と供給が同時に改善した。雇用は大幅に回復し、海外需要も拡大が続いた」と指摘した。新規受注と生産を示す指数はともに10年ぶりの高水準を記録した。新規輸出受注指数は比較的小幅な上昇となった。雇用は3カ月連続で増加し、伸びが加速した。投入価格と産出価格はともに上昇した。企業からは金属など原材料価格の大幅な上昇を指摘する声が聞かれた。アナリストは中国の成長率が今年約2%と1976年以来の低水準になると予想している。ただそれでも他の主要国と比べると高い伸びとなる。
新型コロナの世界的大流行後の景気回復局面は今後数カ月続く見込みだが、国内外で依然として不透明感が漂っており、コロナ流行を受けて導入された緩和政策をどのようにして徐々に縮小していくかについて綿密な計画が必要となるとしている。 ※PMI(中国製造業購買担当者景気指数)は全国の製造業約820社の購買担当者を対象にしたアンケート調査。生産や受注について50を上回ると拡大,下回ると減少を示す。非製造業には建設,郵便,ソフトウェア,航空,鉄道,小売り,ケータリングが含まれる。