2024年11月報告

3. ユーロ圏景況感指数

S&Pグローバルがまとめた10月のユーロ圏HCOB総合購買担当者景気指数(PMI)改定値は50.0と、9月の49.6から上昇した。サービス部門が拡大した。速報値の49.7から上方改定された。PMIは50が好不況の分かれ目となる。サービス部門PMI改定値は51.4から51.6に上昇。速報値の51.2から上方改定された。

ハンブルク商業銀行のチーフエコノミストは「現在のユーロ圏の経済状況では『成長』や『安定』といった言葉は連想しにくいが、サービス部門がそうした成長や安定を提供している」とし、サービス部門が景気後退入りを回避する上で非常に重要な役割を果たしていると述べた。

サービス部門の新規事業指数は49.7から49.2に低下したが、同氏は一時的な低下の可能性があるとし「サービス部門の活動は拡大が続くと確信している。インフレ鈍化と賃金上昇は個人消費の拡大を意味し、サービス需要を下支えする」と述べた。サービス部門は9月ほどではないものの、引き続き1年先の見通しを楽観。総合将来生産指数は58.6から58.1に低下したが、速報値の57.3から大幅に上方修正された。

米国の金融情報サービス大手S&P グローバル(S&P Global Inc.)
米ニューヨーク市に本拠を置く金融サービス企業。S&P グローバル・レーティングやS&P ダウ・ジョーンズ・インデックスなど、四事業体の親会社にあたる。旧社名はマグロウヒル・ファイナンシャル。S&P グローバルは金融サービス企業であるが、旧社名のマグロウヒルは出版社であり、金融サービス業との関係は、スタンダード&プアーズの買収以降となる。スタンダード&プアーズは、1906年にルーサー・リー・ブレイクが設立したスタンダード統計(Standard Statistics Bureau)と、1860年にヘンリー・ヴァーナム・プアーが創業したプアー出版(H.V. and H.W. Poor Co.)が、1941年に合併して発足した。1966年、マグロウヒルはスタンダード&プアーズを買収し、以降、出版社が金融サービス業を子会社の事業として抱える形態が続いた。1995年に社名をThe McGraw-Hill Companiesに変更。2009年12月にブルームバーグにビジネスウィーク誌を売却した。2013年5月1日に、マグロウヒルはマグロウヒル・ファイナンシャルに社名変更、2016年4月、子会社のJDパワーを売却、またS&P グローバルに社名変更した 。