2024年10月報告

3. ユーロ圏景況感指数

S&Pグローバルがまとめた9月のユーロ圏HCOB総合購買担当者景気指数(PMI)改定値は49.6と、前月の51.0から低下し、好不況の分かれ目となる50を2月以降初めて割り込んだ。速報値の48.9は大幅に上回った。インフレ圧力の緩和も示された。サービス部門PMI改定値は51.4。前月の52.9から低下したが、速報値の50.5を上回った。

ハンブルク商業銀行は「一見したところ、ユーロ圏のサービス業はかなり持ちこたえているように見える。拡大が続いており、減速ペースもそれほど急でない」と指摘。ただ「もう少し掘り下げて個々の国を見ると、スペインを除けば、それほどバラ色とは言えない」と述べた。フランスのサービス部門PMIはパリ五輪の効果が薄れたことを背景に低下。ドイツとイタリアもほぼ停滞状態となっている。

値上げは小幅なペースにとどまった。ユーロ圏の総合産出価格指数は53.0から51.5に低下、2021年初め以来の低水準となった。サービス部門の需要は減少しており、短期的に回復は見込めないとみられている。新規事業指数は51.2から49.7に低下。8カ月ぶりの低水準となった。

米国の金融情報サービス大手S&P グローバル(S&P Global Inc.)
米ニューヨーク市に本拠を置く金融サービス企業。S&P グローバル・レーティングやS&P ダウ・ジョーンズ・インデックスなど、四事業体の親会社にあたる。旧社名はマグロウヒル・ファイナンシャル。S&P グローバルは金融サービス企業であるが、旧社名のマグロウヒルは出版社であり、金融サービス業との関係は、スタンダード&プアーズの買収以降となる。スタンダード&プアーズは、1906年にルーサー・リー・ブレイクが設立したスタンダード統計(Standard Statistics Bureau)と、1860年にヘンリー・ヴァーナム・プアーが創業したプアー出版(H.V. and H.W. Poor Co.)が、1941年に合併して発足した。1966年、マグロウヒルはスタンダード&プアーズを買収し、以降、出版社が金融サービス業を子会社の事業として抱える形態が続いた。1995年に社名をThe McGraw-Hill Companiesに変更。2009年12月にブルームバーグにビジネスウィーク誌を売却した。2013年5月1日に、マグロウヒルはマグロウヒル・ファイナンシャルに社名変更、2016年4月、子会社のJDパワーを売却、またS&P グローバルに社名変更した 。