2024年10月報告

2. 米非製造業景況感指数:非製造業回答者の声

Services PMI® at 54.9%

September 2024 Services ISM® Report On Business®

 Index指数7月8月9
1.Business Activity Index事業活動指数54.553.359.9
2.New Orders  Index新規注文指数52.453.059.4
3.Employment Index雇用指数51.150.248.1
4.Supplier deliveries indexサプライヤー出荷指数47.649.652.1

This report reflects the U.S. Department of Commerce’s recently completed annual adjustments to the seasonal adjustment factors used to calculate the indexes.

(本報告書は米国商務省の直近に発表された年間調整を本指数計算での季節調整済み要因に反映している)

【解説】

米サプライマネジメント協会(ISM)が3日発表した9月の米非製造業(サービス業)景況感指数は54.9と前月から3.4ポイント上昇し、2023年2月以来1年7カ月ぶりの高水準になった。市場予想(51.8)も上回った。「不況」の水準にある製造業と比べ、サービス需要の底堅さを示した。好不況の分かれ目を示す50を3カ月連続で上回った。項目別では新規受注の指数が6.4ポイント上昇し、59.4になった。企業活動を表す指数は6.6ポイント上がり59.9だった。回答企業からは「前年比で売上高が増加に転じている。遅いながらも着実な回復だ」(小売業)、「金利が着実に低下し、自動車と住宅向けのローン申請件数がわずかに増加している」(金融・保険)といった声があがった。「米国の会計年度末による一時的な活動の増加」とする回答もあった。雇用環境を映す指数は2.1ポイント低下し、48.1だった。節目の50を下回った。サービス分野の求人や採用が落ち着きつつある様子を示した。企業の仕入れ価格を示す指数は2.1ポイント高い59.4で、原材料や中間サービス費用の高騰を示している。納期を示すサプライヤー指数は52.1と2.5ポイント上がった。同指数は上昇するほど納期に遅れが生じていることを示す。企業からは「注文が期日通りに届く割合が下がった」との声も聞かれた。「足元の経済環境は比較的安定していた。ただ10月には港湾労働問題が発生するため、この安定は長くは続かないかもしれない」(宿泊・飲食サービス)など、米港湾のストライキへの懸念も広まっているようだ。調査を担ったISMのスティーブ・ミラーは「米サービス業で金利の引き下げは歓迎されている。ただ労働コストと供給の確保が継続的な懸念事項だ」と指摘する。

サービス業回答者の声WHAT RESPONDENTS ARE SAYING

1Accommodation & Food Services 宿泊・飲食サービス  全体として、ここ1ヶ月の経済要因はやや安定している。不安定な状態は限定的で、地政学的な問題や大統領選挙より寧ろ季節的な側面に基づくものだった。10月に向けて港湾労働ストライキ問題が迫っているため、この安定は長続きしないかも知れない。
2Agriculture, Forestry, Fishing & Hunting  農業、林業、漁業、狩猟過去3~6ヶ月間、ビジネスは横這いで推移しており、当面の成長には懸念がある。
3Construction 建設工事住宅建設は高金利で苦戦が続いている。最近の半減ポイントは心強いが、売上高を動かすには、あと150ベーシスポイント必要かも知れない。労働と暖房・換気・空調(HVAC)規制は、先月に引き続き建設の足枷となっている。 【解説】2020 年に米国技術革新製造業法 (AIM 法) が制定され、HVAC を含むさまざまな用途でハイドロフルオロカーボン (HFC) を 15- 年かけて段階的に削減することが認可された。2025 年までに、環境保護庁 (EPA) はエアコンの地球温暖化係数 (GWP) の上限を 750 に設定する。つまり、GWP が 2,088 の R-410A は、新しい機器では使用できなくなる。
4Health Care & Social Assistance        医療・健康管理・社会福祉メーカーからの受注残が増加し、供給制約を招いている。
5Information       情報米国では新規プロジェクトが集約されていないため、特に活動量の少ない部門から従業員を解雇するなど、当社ではコスト削減を図っている。
6Professional, Scientific & Technical Services 専門・科学・技術サービス経済に対する懸念があり、2025年以降の計画をしっかりと立てる前に、11月の大統領選挙がどちらに転ぶかを多くの人が待っているように感じる。
7Wholesale Trade    卸売業販売は若干落ちているのは、顧客が新規プロジェクトを控えている可能性で、大統領選挙の結果を待っているからだろう。
8Retail Trade 小売業売上高は前年比プラスで推移し始めている。緩やかだが堅調だ。
9Finance & Insurance金融・保険住宅市場、自動車市場ともに金利は着実に低下しており、自動車ローンや住宅ローンの申し込みが若干増加してきた。
10Public Administration 行政サービス物価はほぼ堅調に推移しており、年度末の支出が大幅に増加している。