2024年7月報告

2. 米非製造業景況感指数:非製造業回答者の声

Services PMI® at 48.8

June 2024 Services ISM® Report On Business®

 Index指数4月5月6
1.Business Activity Index事業活動指数50.961.249.6
2.New Orders  Index新規注文指数52.254.147.3
3.Employment Index雇用指数45.947.146.1
4.Supplier deliveries indexサプライヤー出荷指数48.552.752.2

This report reflects the U.S. Department of Commerce’s recently completed annual adjustments to the seasonal adjustment factors used to calculate the indexes.

(本報告書は米国商務省の直近に発表された年間調整を本指数計算での季節調整済み要因に反映している)

【解説】

米サプライマネジメント協会(ISM)が3日発表した6月の米非製造業(サービス業)景況感指数は前月から5ポイント低い48.8で、好不況の分かれ目となる50を2カ月ぶりに下回った。市場予想(52.8)にも届かなかった。サービス業のインフレが減速し、米連邦準備理事会(FRB)による早期利下げに繋がるとの思惑から長期金利が低下した。

業況感と新規受注の落ち込みが影響した。業況指数は11.6ポイント低下と、2020年4月以来の大幅な悪化。新規受注指数は22年12月以降で初めて縮小圏に落ち込んだ。前月は総合景況指数が9カ月ぶりの高水準に上昇したが、6月に急反転。経済の最大部分を占めるサービス業の悪化は、景気が一段と減速しつつあることを示唆する。ISM非製造業景況調査委員会のスティーブ・ミラー委員長はインタビューで、「これが一過性のものであると望んでいる。回答企業のコメント全般からはショックとは思えなかったが、良いニュースでなかったのは確かだ」と述べた。

ミラー委員長は発表文で、「調査回答者の報告によると、全般的にビジネスは横這いか、下降しており、インフレは緩和しているものの、一部のコモディティー(相場商品)は大幅にコストが上昇している」と指摘した。

同時に、サービス業者が支払う素材の価格を示す仕入れ価格指数は3カ月ぶりの低水準となり、インフレの緩やかな鈍化を示した。雇用指数は5カ月連続で50を割り込み、在庫は2021年10月以来の低水準となった。在庫景況感の指数は17年以来の高水準に跳ね上がり、在庫が多過ぎるとみる企業の割合が増えたことを示した。受注残の指数は急低下し、昨年8月以来の低水準。新規輸出受注指数はなお50を上回っているものの、10.1ポイント低下の51.7と海外需要の低迷を示した。

サービス業回答者の声WHAT RESPONDENTS ARE SAYING

1Accommodation & Food Services 宿泊・飲食サービス昨年に比べ、売上も客足も鈍い。カリフォルニア州のガソリン価格の高騰、インフレやレストランのメニュー価格に関するニュースが絶えないことが元凶の原因だ。
2Construction 建設工事コストは安定しているようだが、まだ高い。会社は選挙の結果がどうなるかを見守るために、現状維持を続けている。。
3Public Administration行政全体的にやや値上がりしているが、品目によっては、値上げ圧力が少ない。重機、消防機器、救急車などの納期はまだ長い。
4Management of Companies & Support Services 企業経営と支援サービス化学品の価格上昇と、それに伴う国内外での運賃の高騰により、サプライチェーン上の課題が続いている。
5Health Care & Social Assistance        医療・健康管理・社会福祉サービスに対する需要は、前月にほぼ過去最高の患者数を記録した後、緩やかになっている。
6Retail Trade      小売業インフレは買手と売手の双方にとって引き続き一般的な懸念事項である。例えば、インフレが続く中で、顧客は十分な裁量資金を持っているのだろうか。
7Utilities          公益事業供給問題は落ち着いてきた。多くの商品の価格は高止まりしており、下がる気配はない。
8Wholesale Trade    卸売業6月の市況は減速しているようだ。これは、海上運賃の上昇とコンテナ予約の逼迫によって、より複雑になっている。
9Educational Services教育サービス現在、業務は通常通りだが、燃料の値上げにより若干のコスト増が発生している。会計年度末であり、一般的に支出が増える時期である。
10Finance & Insurance金融・保険価格やサービス内容に大きな変化はなく、安定している。