2024年6月報告

4. 中国の製造業景況感

財新/S&Pグローバルが5日発表した5月の中国サービス部門購買担当者景気指数(PMI)は54.0と4月の52.5から上昇した。雇用は1月以降で初めて上向いた。好不況の分かれ目である50を17カ月連続で上回り、2023年7月以来の高水準となった。サービス部門と製造部門を合わせた総合PMIは前月の52.8から54.1に上昇し、1年ぶり高水準となった。

新規事業の増加がサービス部門の活動を支えた。新規事業は23年5月以降で最も速いペースで増加し、新規輸出事業も同様に増加した。企業の雇用者数は昨年9月以降で最も高い水準となった。

一方、コスト負担が増す中、企業は値上げを行い、価格圧力は強まった。世界経済の先行きと物価高への懸念から、企業の信頼感も7カ月ぶり水準に低下した。

中国国家統計局PMIは製造業3200社を対象に調べる。新規受注や生産、従業員数など項目ごとに調査する。50を上回れば前月より拡大、下回れば縮小を示す。
PMI(中国製造業購買担当者景気指数)
全国の製造業約820社の購買担当者を対象にしたアンケート調査。生産や受注について50を上回ると拡大,下回ると減少を示す。非製造業には建設,郵便,ソフトウェア,航空,鉄道,小売り,ケータリングが含まれる。
2009年設立の財新/S&Pグローバルの月例まとめ
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