2024年1月報告

月例報告・景気動向指数（PMI） NO IMAGE

2. 米非製造業景況感指数：非製造業回答者の声

Services PMI® at 50.6%

December 2023 Services ISM® Report On Business®

 Index指数10月11月12月
1.Business Activity Index事業活動指数54.155.156.6
2.New Orders 　Index新規注文指数55.555.552.8
3.Employment Index雇用指数50.250.743.3
4.Supplier deliveries indexサプライヤー出荷指数47.549.649.5

This report reflects the U.S. Department of Commerce’s recently completed annual adjustments to the seasonal adjustment factors used to calculate the indexes.

（本報告書は米国商務省の直近に発表された年間調整を本指数計算での季節調整済み要因に反映している）

【解説】　米サプライマネジメント協会（ISM）が5日発表した2023年12月の米非製造業（サービス業）景況感指数は前月から2.1ポイント下がり、50.6となった。雇用環境を示す指数が20年7月以来、3年5カ月ぶりの低水準となり、景況感停滞の大きな要因となった。新規受注の減速も重荷となった。景況感指数は市場予想（52.5）を下回り、23年5月以来の低水準となった。好不況の分かれ目となる50は12カ月連続で上回った。主な項目では雇用環境を映す指数が43.3と前月から7.4ポイント低下し、3年5カ月ぶりの低水準となった。

「景気懸念が続く中、年末年始の休暇期間を迎え、採用活動は停滞している」（専門・科学・技術サービス）「収益は好調だが、労働力は依然として制約的だ」（医療・社会福祉）との声があがった。新規受注は52.8と前月比2.7ポイント低下した。不動産・賃貸・リース、芸術・娯楽・レクリエーションなどの6業種で受注が減った。「金利が下がれば投資借り入れを増やせるため、受注も増えていくだろう」（情報関連）との声が聞かれた。

米PNCフィナンシャル・サービシズは「堅調だったサービス業は金利上昇が重荷となり、24年にかけて減速傾向が鮮明になった」と解説する。事業活動を示す指数は56.6と前月比1.5ポイント上昇した。 農業・林業・漁業・狩猟業、医療・社会福祉などの12業種が事業活動の拡大を報告した。

12月は雇用の低迷がサービス業の景況感を足踏みさせる主要因となった。一方で、米労働省が5日朝に発表した23年12月の雇用統計によると、非農業部門の就業者数は前月から21万6000人増え、市場予想を上回った。米ウェルズ・ファーゴ銀行は「サービス業の雇用指数の低迷は5日朝発表の雇用統計の動きと一見ずれているが、実際は労働市場が緩和しつつあることを示している。熟練労働者の不足、コスト削減のための解雇などの動きも浮き彫りになってきている」と指摘した。

サービス業回答者の声WHAT RESPONDENTS ARE SAYING

1Construction 建設工事パナマ運河の混雑は、今後数ヶ月続くと予想されている。この影響でコストとスケジュールを犠牲にして海上貨物を迂回させている。
2Health Care & Social Assistance　　　　　　　　医療・健康管理・社会福祉収益は堅調を維持しているが、労働力は依然制約を受けており、サプライヤーは1月1日からの値上げに踏み切っている。サプライチェーンは、新型コロナウイルス疫病発生前の標準に近い形で運営されており、ほぼ安定している。2024年暦年の主な目標は、消耗品やサービス、付加価値のない仕事の排除を通した全体的な経費削減である。
3Professional, Scientific & Technical Services　専門的、科学技術的サービス年末年始の休暇が本格化し、景気懸念が根強いため、直接雇用、コンサルタント、契約社員の雇用は、殆どの業界で横這の停滞が続いている。企業は、より少ない人員でより多くの仕事をこなそうとしているため、人件費の増加に対して様子見の姿勢をとっている。
4Retail Trade　　　　　　小売業連休に向けた最後の追い込み。サプライチェーンも販売も堅調で、価格設定も安定している。
5Utilities　　　　　　　　　　社会生活基盤・公益事業サプライチェーンは、2020年初頭以来、初めて安定性を増している。全体的な事業活動の水準は依然として比較的高い状態だ。
6Accommodation & Food Services 　　　　　宿泊・飲食サービス価格設定は少しずつ良くなっている。しかし、牛肉の価格はまだ高い。石油は変動が続いている。サービス業は若干下がったが、時給は、新型コロナウイルス疫病流行前の水準よりはまだ高い状態だ。
7Educational Services 教育サービス主要電気部品の供給不足を除き、業況は概ね良好だ。
8Information　　　　　　情報金利が下がれば、投資借入が増加し、サービスの受注も増加するだろう。
9Transportation & Warehousing　　　　　　輸送・倉庫業当社は、典型的なゆっくりとした季節変動を見ている。これは予想外のことではなく、過去2年よりも高い水準で推移しているからだ。
10Wholesale Trade　　 卸売業当地域の業況は、通常の休暇による小康状態にもかかわらず、依然堅調である。好天が続けば、年明け以降に事業が再開するはずだ。住宅ローン金利は引き続き低下しており、値ごろ感がある。第1四半期は良い需要が得られると思っている。
11Mining             鉱業生産と販売が増加し、価格が低下している。