1. 米製造業景況感指数:製造業回答者の声
Manufacturing PMI® at 47.4%
December 2023 Manufacturing ISM® Report On Business®
- New Orders and Backlogs Contracting
新規注文と受注残は縮小傾向
- Production Expanding; Employment Contracting
生産は拡大基調;雇用は縮小傾向
- Supplier Deliveries Faster
サプライヤー出荷は加速基調
- Raw Materials Inventories Contracting; Customers’ Inventories Too Low
原材料在庫は縮小;顧客在庫過少
- Prices Decreasing; Exports and Imports Contracting
価格は下落基調;輸出・輸入は縮小
【解説】 米サプライマネジメント協会(ISM)が3日発表した12月の米製造業景況感指数は47.4で、好不況の分かれ目となる50を14カ月連続で下回った。約22年ぶりの長期低迷を記録した。前月比では0.7ポイント改善し、市場予想の47.2は上回った。新規受注や雇用が減速した一方、調査対象企業からは24年に好況を期待する見通しも聞かれた。ファクトセットに依ると、今回の「不況」は18カ月連続で指数が50を下回った2000年8月~02年1月以来の長さだ。1年を通して不況となるのも2001年以来。2000年代前半は「ドットコムバブル」の崩壊や米同時テロがあり、指数は40台前半まで下落していた。現在はより小幅な不況にとどまっている。
業種別では、18業種中16業種が「不況」と回答した。「好況」だったのは鉄鋼や非鉄金属産業のみ。前月より不変と回答したのは食品・飲料・たばこ製品業種だった。新規発注は1.2ポイント悪化し、47.1となった。
米ISM製造業景況感指数 |
製造業約350社の購買担当者に対し受注や生産状況をアンケート調査により聞き取りし、月初めの第1営業日(その2日後に非製造業を公表)に公表している統計。日本の企業短期経済観測調査(日銀短観)に似た統計といえます。米主要統計の中でも最も早く月初めに発表されるため、市場関係者の注目度が高く、景気の先行指標とされています。一般に好不況の判断の境目とされる50%を割れると景気後退で、50%を超えると景気拡大と判断されます。GDPとの関連性を持たせるために2008年1月分の統計より算出方法が変更され、現在は「新規受注・生産・雇用・入荷遅延・在庫」の5項目(比率はそれぞれ20%)につき、「増加、同じ、減少」の回答結果をもとに算出する。民間調査機関13社の予測値(中心値)が前もって出回るので、リリース時にはそのギャップも重要になります。 |
製造業回答者の声WHAT RESPONDENTS ARE SAYING …
1 | Chemical Products 化学製品 | 全体として、受注は前四半期より回復し、プロジェクトの受注残が蓄積され始めている。 |
2 | Transportation Equipment 輸送機械 | 需要は全体的に増加している。受注残が再び増え始めている。 |
3 | Food, Beverage & Tobacco Prod 食品・飲料・煙草 | 商品コストが低下している。商品は容易に入手可能であり、顧客はまだ昨年並みの量を発注している。 |
4 | Computer & Electronic Products コンピュータ・電子製品 | 米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げを見送ることを予期して、より多くの企業が設備投資に再び支出するようになるだろう。暦年開始後に予算が承認されれば、投資が促進され、製造活動が再び活発化するはずだ。 |
5 | Primary Metals 一次金属 | 全米自動車労組(UAW)のストライキが収束したことで、米国の自動車OEM顧客からの需要が高まっている。2024年の第1四半期は非常に好調になると見ている。 |
6 | Machinery 一般機械 | 景気は減速している。完成品在庫も増加している。 |
7 | Fabricated Metal Products 金属加工製品 | 2024年は、やや好調と予測している。来年はどうなるか、今のところ穏やかに楽観視している。 |
8 | Miscellaneous Manufacturing その他製造業 | 業況は良好で、売上、生産は予測通りに推移している。 |
9 | Wood Products 木材製品 | 資金調達コストの上昇により、住宅投資の需要が減少している。顧客は借入コストが下がるまで計画の一部を延期している。当社は、新規受注の減少、受注残の減少、製品とサービスに対する短期的な需要の不確実性に衝撃を受けている。 |
10 | Electrical Equipment, Appliances & Components 電気機具・部品 | 今年は、2022年と同様に終わろうが、2023 年はより不安定であった。適切な安全在庫を確保するため、在庫量の回復に取り組んでいる。 |