4. 中国の製造業景況感
財新/S&Pグローバルが1日発表した11月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)は50.7と、予想に反し景況改善・悪化の境目となる50を越え、3カ月ぶりの高水準となった。市場予想は49.8、10月は49.5だった。受注の増加が寄与した。ただ、外需の低迷は引き続き重しとなっている。
中国国家統計局が前日発表した11月の製造業PMIは49.4に低下し、2カ月連続で50を下回った。 中国国家統計局が30日発表した2023年11月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は49.4だった。前月より0.1ポイント低く、2カ月連続で好調・不調の境目である50を下回った。不動産不況など需要不足が続き、新規受注の指数が悪化した。PMIは製造業3200社を対象に調べる。新規受注や生産、従業員数など項目ごとに調査する。50を上回れば前月より拡大、下回れば縮小を示す。 |
アナリストは、財新と国家統計局のPMIがまちまちで、追加の景気刺激策が必要だと指摘している。キャピタル・エコノミクスの中国担当エコノミストは「額面通りに受け取れば、両PMIの平均では11月の製造業がほぼ横這いと言うことになるが、実際にはそうではないかも知れない。
ハードデータは調査ベースの指標より底堅く推移している」と述べた。財新のPMIは主に沿岸部の輸出企業・中小企業を調査対象にしている。HSBCのエコノミストは「中国経済は業界によってスピードが異なるが、積極的な政策スタンスは維持され、今後数四半期の成長全体の維持に寄与するとみられる」と述べた。
PMI(中国製造業購買担当者景気指数) |
全国の製造業約820社の購買担当者を対象にしたアンケート調査。生産や受注について50を上回ると拡大,下回ると減少を示す。非製造業には建設,郵便,ソフトウェア,航空,鉄道,小売り,ケータリングが含まれる。 |
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