2023年12月報告

2. 米非製造業景況感指数:非製造業回答者の声

Services PMI® at 52.7%

November 2023 Services ISM® Report On Business®

 Index指数9月10月11
1.Business Activity Index事業活動指数58.854.155.1
2.New Orders  Index新規注文指数51.855.555.5
3.Employment Index雇用指数53.450.250.7
4.Supplier deliveries indexサプライヤー出荷指数50.447.549.6

This report reflects the U.S. Department of Commerce’s recently completed annual adjustments to the seasonal adjustment factors used to calculate the indexes.

(本報告書は米国商務省の直近に発表された年間調整を本指数計算での季節調整済み要因に反映している)

【解説】 米サプライマネジメント協会(ISM)が5日発表した11月の米非製造業(サービス業)景況感指数は前月より0.9ポイント高い52.7だった。3カ月ぶりの上昇となり、ダウ・ジョーンズまとめの市場予想(52.4)も上回った。サービス業は高金利下でも底堅いが、今後の消費の減速への不安を表す声も聞かれた。指数は今年に入り50を常に上回って推移しており、新型コロナウイルスが流行してから縮小したのは1度しかない。内訳では、前月に今年最大の落ち込みを記録していた業況指数が55.1に改善。将来の需要動向の目安となる新規受注指数は55.5で横ばいだった。米経済の屋台骨である個人消費は、途絶えることのないサービス需要に支援されて予想外の底堅さをみせてきた。だが、足元では雇用主が採用を縮小し、賃金の上昇ペースも鈍っていることから、個人消費の好調さはこの先、それほど長くは続かないと予測されている。

11月の米雇用統計では、労働市場が緩やかながらも健全な伸びとなり、コロナ禍前の傾向にますます近づく見通しだ。今回のISMデータでは、雇用に関する指数が3カ月ぶりに上昇した。仕入価格指数は4カ月ぶりの低水準。コスト上昇はなお続いているが、そのペースは緩やかになっていることを示した。ISMの景況指数は、製造業よりサービス業の方が業況が明るいことを示唆している。先週公表された11月のISM製造業総合景況指数は13カ月連続で縮小。これほど長く縮小圏にとどまるのは、リセッション(景気後退)を誘発したITバブル崩壊後以来で、高金利が製造業に引き続き打撃を与えている構図が浮き彫りとなった。

サービス業回答者の声WHAT RESPONDENTS ARE SAYING

1Construction 建設工事建設業界全体の好機は引き続き堅調だ。熟練工の労働市場は逼迫している。
2Health Care & Social Assistance        医療・健康管理・社会支援回復の兆しが見える。利益幅は依然厳しいが、収益は改善しており、労働力は安定しているようだ。サプライチェーンは順調に稼動しているが、一部の大手製造業は、以前から続いている制約の兆候を示している。設備投資は依然抑制されているが、2024暦年には好転するとの楽観的な見方が戻っている。
3Professional, Scientific & Technical Services 専門的、科学技術的サービス第4四半期の売上が予想を下回る。新年度の第1四半期は赤字の傾向。2024年への懸念はあるが、当社は引き続き前向きである。
4Management of Companies & Support Services         企業経営・支援サービス顧客は支出に保守的であるため、市場占有率維持のための競争は厳しい。
5Retail Trade      小売業人事採用工程における候補者の期待により、人材確保が難しくなった。
6Utilities          社会生活基盤労務費、設備機械費、資材価格の値上げ要求が増加しているのは、既存契約と提案依頼書(RFP)経由の市場の再価格設定の両方を通じてのことだ。
7Accommodation & Food Services      宿泊・飲食サービスレストランの売上高と輸送費の傾向は前月と同じで、季節的な低水準にある;12月には再び持ち直すだろう。新型コロナウイルス疫病流行パンデミック前と昨年に比べ、プラス傾向が続いている。
8Educational Services 教育サービス備品・商品は堅調に推移している。
9Information     情報先月と2022年11月と比較して新規案件は少ない。顧客は新規サービスの見積もりを要求していない。
10Transportation & Warehousing     輸送・倉庫業第4四半期に向けて堅調な動きが続いている。
11Wholesale Trade  卸売業事業活動は、ほぼ横這いで、大きな変動はない。広範なサプライチェーンの在庫は健全で、充足率も改善している。
12Finance & Insurance金融・保険業況は2023年末まで安定している。年間コスト上昇率は、全体的な経済状況や懸念により、3%に対し5%以上と計画よりやや高い。
13Public Administration   行政多くの品目の価格は上昇しているが、それも僅かである。サービスの価格上昇は、より顕著であり、組織への影響も大きい。