2023年11月報告

2. 米非製造業景況感指数:非製造業回答者の声

Services PMI® at 51.8%

October 2023 Services ISM® Report On Business®

 Index指数8月9月10
1.Business Activity Index事業活動指数57.358.854.1
2.New Orders  Index新規注文指数57.551.855.5
3.Employment Index雇用指数54.753.450.2
4.Supplier deliveries indexサプライヤー出荷指数48.550.447.5

This report reflects the U.S. Department of Commerce’s recently completed annual adjustments to the seasonal adjustment factors used to calculate the indexes.

(本報告書は米国商務省の直近に発表された年間調整を本指数計算での季節調整済み要因に反映している)

【解説】 米サプライマネジメント協会(ISM)が3日発表した10月の米非製造業(サービス業)景況感指数は前月より1.8ポイント低い51.8だった。5カ月ぶりの低水準となり、ダウ・ジョーンズまとめの市場予想(53.0)も下回った。高金利環境下でも底堅さを維持してきたサービス業に陰りが見え始めている。業況指数は前月比での低下幅が今年に入って最大となった。雇用指数は2022年4月以来の大きさで下げ、5カ月ぶりの低水準となった。

今回の統計は米経済が10-12月(第4四半期)に入って減速しつつあることを示唆している。7-9月(第3四半期)の実質国内総生産(GDP)速報値は約2年ぶりの急ペースで拡大した。

10月は娯楽・レクリエーションや小売り、建設など12業種が活動拡大を報告。不動産や農業、鉱業など5業種は活動が縮小した。新規受注の指数は3.7ポイント上昇し、企業活動が持ち直すとの希望を一定程度抱かせる内容となった。前月は大幅に落ち込んでいた。仕入れ価格指数は小幅に低下したが、仕入れコストが依然上昇していることを示唆する水準にとどまった。在庫増減の指数は4月以来の50割れとなった。

サービス業回答者の声WHAT RESPONDENTS ARE SAYING

1Construction 建設工事特定の建設分野の堅調は、継続的な楽観論に繋がっている。建設機械と建設資材は一般的に低価格で、納期も早い。しかし、これは全ての資材や機器がそうである訳でなく、一部の価格は依然高く、納期も長い。
2Health Care & Social Assistance        医療・健康管理・社会支援特に人材採用が難しい分野では、労働圧力が続いている。大企業と物流業者との競争のため、第一線と低技能労働力を確保するのは非常に高価なっている。また、中間管理職の採用もここ数年来難しくなっている。
3Professional, Scientific & Technical Services 専門的、科学技術的サービスイスラエルとハマスの戦争のため、中東の顧客との意思疎通がかなり遮断されている。
4Management of Companies & Support Services         企業経営・支援サービス原油価格の上昇により、慎重な姿勢で臨んでいる。原油価格が安定するまで、設備投資プロジェクトが減速や延期となっている。当社は、この取り組みが2024会計年度まで続くと予想している。
5Retail Trade      小売業全米自動車労組のストライキは今のところ影響はない;当社の在庫は今良好な状態だ。
6Utilities        社会生活基盤景気はこのところ不透明になってきているが、まだ堅調を維持している。しかしながら、特定の事業部門は再評価が必要である。
7Accommodation & Food Services      宿泊・飲食サービス一般的に、商品価格は下がりつつあるが、幾つかの分類、特に人件費はまだ高止まりしており、当面はこの状態が続くだろう。サプライヤーは、賃金、給与、福利厚生といった人件費の増加を自社製品価格の値上げの最大の理由として挙げている。
8Educational Services 教育サービス現在のところ、当学は通常通りやっている。景気が悪くなれば、収益に悪影響が出る。また、中東情勢の不安もあり、燃料費が上昇する可能性も警戒している。燃料費が高騰すれば、当学校舎の通常の運営を継続努力しているので、当予算に悪影響を及ぼすだろう。
9Information     情報  サプライヤーの労働争議が解決したことで、7月に始まる前と同じ出荷速度に戻ると期待している。繁忙期に入っており、今年は、昨秋と比べ特に忙しい。
10Transportation & Warehousing    輸送・倉庫業当組織の全般的な見通しは、年初からの見込みよりも明るくない。年初の堅調な始まりの後、業績予想は上方修正され、結果は見直し計画ほど高くなかった。業績は、一部、顧客が倉庫を製品で満杯にできるかということも影響し、食品製造業界は、新型コロナウイルス疫病流行以来少し遅れている増産に向けて努力しているようだ。
11Wholesale Trade  卸売業全米自動車労組のストライキと政府機関の閉鎖の可能性は、今月から購入を手控えた当社顧客にリスクと警戒感を与えている。