2023年9月報告

3. ユーロ圏景況感指数

S&Pグローバルがまとめた8月のユーロ圏のHCOB製造業購買担当者景気指数(PMI)改定値は43.5と、3カ月ぶりの高水準だった。製造業が最悪期を脱した可能性がある。ただ需要は約1年ぶりの低水準に鈍化した。速報値は43.7。7月は42.7だった。50が好不況の分かれ目となる。生産指数は42.7から43.4に上昇した。ハンブルク商業銀行のチーフエコノミストは「みかけほどひどい数字ではない。12のサブ指数全てが上昇もしくはほぼ横這いとなっており、ここ数カ月の下降トレンドに全体的に歯止めがかかり始めている」と述べた。ただ、新規受注指数は39.1から39.0に低下。新型コロナウイルス流行後で2番目に低い水準となった。生産コストは6カ月連続で低下。コスト低下分の一部は引き続き消費者に還元された。

米国の金融情報サービス大手S&P グローバル(S&P Global Inc.)
米ニューヨーク市に本拠を置く金融サービス企業。S&P グローバル・レーティングやS&P ダウ・ジョーンズ・インデックスなど、四事業体の親会社にあたる。旧社名はマグロウヒル・ファイナンシャル。S&P グローバルは金融サービス企業であるが、旧社名のマグロウヒルは出版社であり、金融サービス業との関係は、スタンダード&プアーズの買収以降となる。スタンダード&プアーズは、1906年にルーサー・リー・ブレイクが設立したスタンダード統計(Standard Statistics Bureau)と、1860年にヘンリー・ヴァーナム・プアーが創業したプアー出版(H.V. and H.W. Poor Co.)が、1941年に合併して発足した。1966年、マグロウヒルはスタンダード&プアーズを買収し、以降、出版社が金融サービス業を子会社の事業として抱える形態が続いた。1995年に社名をThe McGraw-Hill Companiesに変更。2009年12月にブルームバーグにビジネスウィーク誌を売却した。2013年5月1日に、マグロウヒルはマグロウヒル・ファイナンシャルに社名変更、2016年4月、子会社のJDパワーを売却、またS&P グローバルに社名変更した 。