5. 内閣府景気ウォッチャー調査
7月の現状判断DI(季節調整値)は、前月差0.8ポイント上昇の54.4となった。家計動向関連DIは、サービス関連等が低下したものの、小売関連が上昇したことから上昇した。企業動向関連DIは、非製造業等が上昇したことから上昇した。雇用関連DIについては、上昇した。7月の先行き判断DI(季節調整値)は、前月差1.3ポイント上昇の54.1となった。家計動向関連DI及び雇用関連DIは上昇、企業動向関連DIは横ばいとなった。なお、原数値でみると、現状判断DIは前月差0.5ポイント上昇の54.1となり、先行き判断DIは前月差0.6ポイント低下の53.0となった。今回の調査結果に示された景気ウォッチャーの見方は、「景気は、緩やかに回復している。先行きについても、緩やかな回復が続くとみている。」とまとめられる。
内閣府景気ウォッチャー調査 |
地域の景気に関連の深い動きを観察できる立場にある人々の協力を得て,地域ごとの景気動向を的確かつ迅速に把握し,景気動向判断の基礎資料とすることを目的とする。調査は毎月,当月時点であり,調査期間は毎月25日から月末である。本調査業務は,内閣府が主管し,下記の「取りまとめ調査機関」に委託して実施している。各調査対象地域については,地域ごとの調査を実施する「地域別調査機関」が担当しており,「取りまとめ調査機関」において地域ごとの調査結果を集計・分析している。 |
2.サプライチェーン関連記事抜粋:令和5年7月1日~7月31日 ※下線用語解説
主題 | 概要 | |
1 | 供給網関連株、上昇顕著に | 工場自動化/陸運シフト 生産拠点見直し:物流再編に期待感 |
2 | 物流「2024年問題」影響は | 勤務時間短く、運べる荷物減少 宅配サービス見直し進む |
3 | 偽の「エコ」に厳しい目 | 世界で規制強化、日本も「初摘発」 科学的根拠、当局が重視 |
4 | 12ドル携帯、大富豪の挑戦 | インド・リライアンスが低所得層取り込みで攻勢 月額通信料:210円 |
5 | シーメンス、デジタル傾斜 | メタバースで最適生産探る:10億ユーロ投じる 逆風のエネは再編対象 |
6 | 東南アジア、延びる都市鉄道 | 主要5カ国、24年2割増の1300KM超 渋滞緩和や環境を意識 |
7 | 中小企業に淘汰の波 | 物価高・人手不足:倒産急増 コロナ後、問われる実力 |
8 | トヨタ、EVで生産改革(ギガキャスト) | 工程や工場投資を半減 一体成型26年から採用:競争力、テスラ追う |
≪用語解説:記事内の用語と企業、統計図表を確認しましょう≫
ギガキャスト |
ギガキャストは大型の鋳造設備で複数のアルミ部品を一つのパーツとして成型し、巨大な車体部品を作る。トヨタは次世代EVで車体を前部・中央・後部の三つに分ける構造を検討するが、その内、後部と前部でギガキャストを用いる方針だ。後部の試作品では従来、86の板金部品を33工程かけて生産していたところを1部品・1工程に集約した。米テスラは先行してギガキャストと同様の技術を実用化している。2020年に主力EV「モデルY」の後部の車体部品で導入。前部にも採用を広げ、171個の鉄板部品を2個の巨大アルミ部品に置き換えた。テスラのEVの原価は21年に17年比で半分に下がったとされ、収益力が上がり、1台当たりの純利益はトヨタの約4.8倍となった。トヨタもギガキャストの採用で177個の鋼板のプレス部品をわずか2個の部品に置き換える。サプライヤーのプレス部品メーカーや金型メーカーへの発注量が減り、車の素材の中心が鉄からアルミになることで素材メーカーにも影響が及ぶ。EVシフトで、国内の部品や素材のサプライヤーの構造転換が加速しそうだ。![]() |