5. 内閣府景気ウォッチャー調査
6月の現状判断DI(季節調整値)は、前月差1.4ポイント低下の53.6となった。
家計動向関連DIは、住宅関連等が上昇したものの、飲食関連等が低下したことから低下した。企業動向関連DIは、製造業等が低下したことから低下した。雇用関連DIについては、低下した。
6月の先行き判断DI(季節調整値)は、前月差1.6ポイント低下の52.8となった。
家計動向関連DI、企業動向関連DI、雇用関連DIが低下した。
なお、原数値でみると、現状判断DIは前月差0.9ポイント低下の53.6となり、先行き判断DIは前月差1.2ポイント低下の53.6となった。
今回の調査結果に示された景気ウォッチャーの見方は、「景気は、緩やかに回復している。先行きについては、5類感染症への移行も終わり、改善テンポに一服感がみられるものの、緩やかな回復が続くとみている。」とまとめられる。
内閣府景気ウォッチャー調査 |
地域の景気に関連の深い動きを観察できる立場にある人々の協力を得て,地域ごとの景気動向を的確かつ迅速に把握し,景気動向判断の基礎資料とすることを目的とする。調査は毎月,当月時点であり,調査期間は毎月25日から月末である。本調査業務は,内閣府が主管し,下記の「取りまとめ調査機関」に委託して実施している。各調査対象地域については,地域ごとの調査を実施する「地域別調査機関」が担当しており,「取りまとめ調査機関」において地域ごとの調査結果を集計・分析している。 |
2.サプライチェーン関連記事抜粋:令和5年6月1日~6月30日 ※下線用語解説
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20 | 医療ビッグデータ参入 | 医療データ事業に参入 健診や睡眠情報を一元管理 規制緩和:デジタルに弾み |
≪用語解説:記事内の用語と企業、統計図表を確認しましょう≫
ダイナミック・プライシング(Dynamic Pricing) |
商品やサービスの価格を需要と供給の状況に合わせて変動させる価格戦略。「動的価格設定」「変動料金制」「価格変動制」とも言う。商品やサービスの価格について、一定の標準価格を設定し、その商品・サービスの売れ行きにより価格を随時変動させる仕組みである。かねてより、サービスの分野では、集客が見込めるサービスの価格を高めに設定し収益を増やす一方、集客の見込めないサービスは価格を下げて集客数を増やす戦略が行われており、これが「ダイナミック・プライシング」の端緒とも言えるが、近年ではこれを進化させ、過去の販売実績データなどのビッグデータを人工知能(AI)が学習して売れ行きを予測し、販売状況に応じて収益最大化が見込める最適価格をシステムが推奨し、その推奨価格を参考にして価格を随時変動させる仕組みが導入されている。一例でいえば、あるイベントのチケットを販売するにあたり、売り出し初日は標準価格で売り出したものの、人気が高いとみると翌日の販売価格を値上げし、逆に売れ行きが停滞した場合は翌日の販売価格を引き下げる。これを比較的短いスパンで繰り返すのがビッグデータとAIを活用した「ダイナミック・プライシング」の典型的な手法である。但し、この手法が行き過ぎると、例えば販売期間中に標準価格の3倍にまで販売価格が高騰したり、あるいは本来は廉価なグレードに人気が集中した結果として上位グレードと価格が逆転したりする現象が生じるなど、顧客の不満を招きかねない。![]() |
政府調達、新興の参入促す |
政府は政府調達の仕組みを改め、スタートアップ企業も参入しやすくする。入札不成立時などに入札を経ず特定の相手と結ぶ随意契約に関し、経済産業省が認めたスタートアップ企業にも契約を呼びかける。スタートアップが持つ独自の技術やサービスは行政の業務効率の改善に生かせる余地があると判断した。企業にとっても実績づくりにつながる。 ![]() |
医療ビッグデータ参入 |
伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)が医療ビッグデータ事業に参入する。健診や処方薬、睡眠、運動など健康に関する情報を統合・解析し、個人にあったヘルスケアサービスの提供につなげる。規制緩和で活用できる医療データが増え、システム構築などの技術が競争力になると判断した。大手IT(情報技術)企業の参入で停滞気味の医療のデジタル化が進む可能性がある。 ![]() |