3. ユーロ圏景況感指数
S&Pグローバルがまとめた6月のユーロ圏のHCOB総合購買担当者景気指数(PMI)改定値は49.9と、好不況の分かれ目となる50を昨年12月以来初めて下回った。製造業が低迷する中でサービス業も広範囲にわたって減速した。アナリスト予想(50.3)を下回った。5月は52.8だった。サービス業PMIは52.0と前月の55.1から低下し、速報値の52.4から下方修正された。3日に発表された6月の製造業PMIは43.4と、5月の44.8から低下した。
ハンブルク商業銀行のチーフエコノミストは「ユーロ圏の主要国は軒並み大幅に減速した」と述べ、新規事業の伸びが弱まり、価格上昇率が鈍化し、企業の期待も低下したと指摘した。サービス業の新規事業指数は51.0と5カ月ぶりの低水準となった。速報値は51.3、5月は53.3だった。明るい材料はインフレ圧力が大幅に緩和したことで、総合の産出価格指数が前月の56.4から53.8に低下し、2021年3月以来の低水準となった。
米国の金融情報サービス大手S&P グローバル(S&P Global Inc.) |
米ニューヨーク市に本拠を置く金融サービス企業。S&P グローバル・レーティングやS&P ダウ・ジョーンズ・インデックスなど、四事業体の親会社にあたる。旧社名はマグロウヒル・ファイナンシャル。S&P グローバルは金融サービス企業であるが、旧社名のマグロウヒルは出版社であり、金融サービス業との関係は、スタンダード&プアーズの買収以降となる。スタンダード&プアーズは、1906年にルーサー・リー・ブレイクが設立したスタンダード統計(Standard Statistics Bureau)と、1860年にヘンリー・ヴァーナム・プアーが創業したプアー出版(H.V. and H.W. Poor Co.)が、1941年に合併して発足した。1966年、マグロウヒルはスタンダード&プアーズを買収し、以降、出版社が金融サービス業を子会社の事業として抱える形態が続いた。1995年に社名をThe McGraw-Hill Companiesに変更。2009年12月にブルームバーグにビジネスウィーク誌を売却した。2013年5月1日に、マグロウヒルはマグロウヒル・ファイナンシャルに社名変更、2016年4月、子会社のJDパワーを売却、またS&P グローバルに社名変更した 。 |