2023年6月報告

2. 米非製造業景況感指数:非製造業回答者の声

Services PMI® at 50.3%

May 2023 Services ISM® Report On Business®

 Index指数3月4月5
1.Business Activity Index事業活動指数55.452.051.5
2.New Orders  Index新規注文指数52.256.152.9
3.Employment Index雇用指数51.350.849.2
4.Supplier deliveries indexサプライヤー出荷指数45.848.647.7

This report reflects the U.S. Department of Commerce’s recently completed annual adjustments to the seasonal adjustment factors used to calculate the indexes.

(本報告書は米国商務省の直近に発表された年間調整を本指数計算での季節調整済み要因に反映している)

【解説】 米サプライマネジメント協会(ISM)が5日発表した2023年5月の米非製造業(サービス業)景況感指数は前月から1.6ポイント低い50.3となった。好不況の分かれ目となる50をかろうじて上回ったが、22年12月分以来5カ月ぶりの低水準。新規受注は鈍り、受注残も縮小するなど需要面の弱さが目立った。同指数は22年12月に節目の50を下回った後、23年1月、2月分は55超まで回復していた。以降、再び低下基調にある。5月分は52近辺を見込んでいた市場予想を下回った。項目別では新規受注が3.2ポイント低下し、52.9になった。受注状況は宿泊・飲食サービス、運輸・倉庫など11業種で改善し、個人消費の底堅さを示唆する一方、改善業種数は前月分の16よりも減った。企業が支払うコストを示す価格指数は3.4ポイント低い56.2となった。エネルギー価格の低下を反映している可能性がある。雇用環境を映す指数は1.6ポイント低下して49.2になった。インフレ圧力の根本にある労働市場の需給逼迫が和らいでいる状況を示唆した。ISMサービス業景況感指数の発表後、米債券市場では、金融政策の影響を受けやすい中期債利回り低下(債券価格は上昇)が進んだ。2年債利回りは発表前に比べて0.1%あまり低下する場面があった。6月13〜14日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げを見込む向きは少数派だが、景況感指数の発表で利上げ観測が一段と後退したようだ。ただ、性格の似た別の経済指標である、5月のS&Pグローバルの非製造業購買担当者景気指数(PMI)は改善した。調査対象業種の微妙な違いが2つの指標の方向性を分けたとみられる。英バークレイズは「相反するデータがある以上、FOMC参加者がISMのみでサービス業の状況を判断するのは無理がある」と指摘していた。

サービス業回答者の声WHAT RESPONDENTS ARE SAYING

1Construction 建設工事全体的な成長鈍化と、市況が一部の建設分野にだらだらと悪影響を及ぼしている。
2Health Care & Social Assistance        医療・健康管理・社会支援サービスの鬱積した需要により収益は好調に推移しているが、経費(人件費と消耗品)が引き続き利益率を圧迫し、財務予測の妨げとなっている。財務指標には若干の改善が見られるも、より少ないコストでより多くのことを達成する方法を見つけなければならないことは明らかだ。サプライチェーンは安定しつつあるが、一部の分野では依然不安定な状況が続いている。しかしながら、全体的な見通しは、次の四半期の見通しが良好であることを示唆し、サービスの滞留需要も生産能力の制約を引き起こしているが、現時点では適切に管理しているように見える。
3Professional, Scientific & Technical Services 専門的、科学技術的サービス全てが横這いになっているように見える:悪くなることも、良くなることもない状態だ。
4Accommodation & Food Services      宿泊・飲食食堂レストランの売上高は引き続き前年比でプラスを記録し、先月は平均 8% 増加した。雇用ニーズは横這いとなっており、当社は、単に維持するよりも寧ろ評価し、格上げする立場にある。サプライチェーンの圧力は全体的に緩和されているが、一部の品目分類では依然、危険な過熱点が続いている。当社は、情報技術の格上げ、及び食堂施設の改装への投資を継続できている。
5Management of Companies & Support Services         企業経営・支援サービス金融銀行業務とリース業務の増加により、経済は減速している。信用基準は上昇し、承認は減少し、信用状況は逼迫している。
6Utilities          ユーティリティ・社会生活基盤クリーン エネルギー(大気汚染しない燃料)への資本投資支出が規制上の要求に従っているため、景気は引き続き上昇している。
7Public Administration 行政・公的事務輸送の可用性が高まったこともあり、リードタイムが短縮され始めている。一般に、価格は上昇を続けているも、その歩調は緩やかであり、サプライチェーンの信頼性は一層高まっている。
8Transportation & Warehousing      運輸・倉庫注文が増え、新規顧客が増え、全体的に活動が活発になり、景気が大幅に上向いている。より多くの最終消費者が通常の事業に戻り、低価格を求め戦い、支払いに更に数日を要している。活用の要点が最終消費者に戻ってきているようで、これは健全なことだ。
9Retail Trade      小売業全体的な景気は良好であり、方向性に大きな変化はない。
10Wholesale Trade   卸売業供給は豊富で、貨物の輸送は速く、コストは下がっている。これは1年前とは180度の変化であり、加えて販売需要も減少している。
11Educational Services教育サービス高等教育機関として、入学は、当機関に大きな影響を与える。考慮すべき要素は、経済(州と国)と同時に教育への継続的な資金だ。現在、登録者数は 2.5% 減少すると予測されており、当校予算に負の影響を与えることだろう。
12Information     情報電子部品の供給は堅調で、リードタイムは新型コロナウイルス疫病前にほぼ戻っている。