3. ユーロ圏景況感指数
S&Pグローバルが24日発表したユーロ圏の3月の総合購買担当者景気指数(PMI)速報値は54.1で、2月の52.0から予想外に上昇し、10カ月ぶりの高水準となった。サービス部門が引き続き好調だった。PMIは50を上回れば景況拡大を、下回れば悪化を示す。市場は51.9に低下すると予想していた。
S&Pグローバルのチーフビジネスエコノミストは「ユーロ圏の経済は春を迎えて新たな活力を見せている」と述べた。今回の調査により第1・四半期のGDP(域内総生産)成長率は0.3%となったことが示唆されるという。3月のロイター調査では、今四半期のGDPは0.1%の縮小が見込まれている。需要は10カ月ぶりの高水準。受注残指数は49.5から50.1に上昇した。サービス部門PMIは52.7から55.6に上昇。市場は52.5に低下すると予想していた。企業は昨年5月以降最も速いペースで従業員を増やした。雇用指数は51.9から54.3へ上昇した。半面、製造業PMIは2月の48.5から47.1に低下し、市場予想(49.0)に反して悪化した。生産指数が50.1から49.9へと低下し、節目の50を割り込んだ。前述のエコノミストは「成長は非常に不均衡で、殆どサービス部門だけが牽引している。製造業は総じて停滞しており、需要の減少に直面して生産を維持するのに苦労している」と述べた。サプライチェーンが改善し、原材料のコストは2020年6月以来の下落。投入コスト指数は50.9から46.4へ低下した。
※米国の金融情報サービス大手S&P グローバル(S&P Global Inc.)は、米ニューヨーク市に本拠を置く金融サービス企業。S&P グローバル・レーティングやS&P ダウ・ジョーンズ・インデックスなど、四事業体の親会社にあたる。旧社名はマグロウヒル・ファイナンシャル。S&P グローバルは金融サービス企業であるが、旧社名のマグロウヒルは出版社であり、金融サービス業との関係は、スタンダード&プアーズの買収以降となる。スタンダード&プアーズは、1906年にルーサー・リー・ブレイクが設立したスタンダード統計(Standard Statistics Bureau)と、1860年にヘンリー・ヴァーナム・プアーが創業したプアー出版(H.V. and H.W. Poor Co.)が、1941年に合併して発足した。1966年、マグロウヒルはスタンダード&プアーズを買収し、以降、出版社が金融サービス業を子会社の事業として抱える形態が続いた。1995年に社名をThe McGraw-Hill Companiesに変更。2009年12月にブルームバーグにビジネスウィーク誌を売却した。2013年5月1日に、マグロウヒルはマグロウヒル・ファイナンシャルに社名変更、2016年4月、子会社のJDパワーを売却、またS&P グローバルに社名変更した 。