2023年4月報告

2.編集後記

先日、大手新聞社からサプライヤーダイバーシティに関する取材を受けた。ダイバーシティだけならわかるがサプライヤーが付いていたものだから勇んでオンラインでインタビューを受けたが、数週間たってようやく件の記者のデスクから許可が出たので、内容を確認して欲しいと言う依頼があった。これまでマスコミ対応をしてきたが事前に確認要請を受けるのは珍しい。案の定、かなり訂正し、又追記したが、実際の紙面では、大きく内容が削られていた。紙面の都合でよくあることだが、筆者の発言が相当切り取られていた。つまりこう言うことだ: 記事のタイトルが『声をつないで 女性が経営する日本企業に脚光 グローバル企業の取引先に』となっており、我々のサプライマネジメント協会の名前を使い、権威付けしたかったように見えた。オンライン取材で、口酸っぱく言ったのは、ダイバーシティとは女性に限らないこと。ダイバーシティの切り口は、見える違い(外見、性別、年齢、働き方の違いなど)、見えない違い(経験、育った環境、文化、宗教、学歴、地位、所属する組織)及び、心理的傾向(価値観、キャリア志向、組織観、職業観、ライフスタイルなど)も含まれること。これが十分理解されなかったようだ。当該記者も謝っていたが、国際女性デーの3月8日に合せて記事を発行するため、ダイバーシティサプライヤーだけでは、上司の決裁が取れなかったのであろう。但し、副次効果として、欧米の多様性サプライヤーについて今一度確認することが出来たことは良かった。特に欧州は、東西で大きな差異が認められ一概には言えないが、EUとしての括りで考えると少しは纏まるかも知れない。この機会に英国の友人と久し振りにオンラインでダイバーシティについて話し合ったが、英国からはヨーロッパ大陸への対抗心のようなものを感じた。日本企業では、兎角、社内のダイバーシティが叫ばれるが、社外のサプライヤーを含めた利害関係者(ステークホルダー)に目を向けることは、これから来るESGs時代の中核となるのではないだろうか。

以下余白

月報編集室:主筆 上原 修 CPSM, C.P.M. JGA 特定非営利活動法人