5. 内閣府景気ウォッチャー調査
3月の現状判断DI(季節調整値)は、前月差1.3ポイント上昇の53.3となった。家計動向関連DIは、住宅関連等が上昇したことから上昇した。企業動向関連DIは、製造業等が上昇したことから上昇した。雇用関連DIについては、上昇した。3月の先行き判断DI(季節調整値)は、前月差3.3ポイント上昇の54.1となった。家計動向関連DI、企業動向関連DI、雇用関連DIが上昇した。なお、原数値でみると、現状判断DIは前月差4.2ポイント上昇の55.2となり、先行き判断DIは前月差2.1ポイント上昇の54.1となった。今回の調査結果に示された景気ウォッチャーの見方は、「景気は、持ち直している。先行きについては、価格上昇の影響等を懸念しつつも、持ち直しが続くとみている。」とまとめられる。
※地域の景気に関連の深い動きを観察できる立場にある人々の協力を得て,地域ごとの景気動向を的確かつ迅速に把握し,景気動向判断の基礎資料とすることを目的とする。調査は毎月,当月時点であり,調査期間は毎月25日から月末である。本調査業務は,内閣府が主管し,下記の「取りまとめ調査機関」に委託して実施している。各調査対象地域については,地域ごとの調査を実施する「地域別調査機関」が担当しており,「取りまとめ調査機関」において地域ごとの調査結果を集計・分析している。
2.サプライチェーン関連記事抜粋:令和5年3月1日~3月31日
主題 | 概要 | |
1 | 英・EU関係修復へ前進 | 北アイルランド、物流改善で合意 ウクライナ情勢も遠因 |
2 | 原材料在庫 3年で1.5倍 | 製造業、供給網混乱で積み増し 米中対立も背景に 「持たざる経営」変化 |
3 | ウクライナ穀物、陸路を拡大 | 欧州委員会の運輸総局長 黒海の回廊延長 「ロシア次第」 |
4 | 穀物輸出 黒海ルート暗雲 | 「回廊」合意延長にロシア難色 ウクライナ収穫も急減 |
5 | 供給網 責任と費用負う時代 | 日本企業の備えは十分か:サプライチェーン上の不正を見逃さない米税関・国境警備局 |
6 | G7、レアメタルで連携 | 廃棄「都市鉱山」から回収 EV/工具の要:中国に生産偏り懸念 |
7 | 物流「2024年問題」解決へ一役 | アセンド:最適運賃算出システム スペース:長距離輸送、2社で分担 |
8 | ESG訴訟、活発に | 気候関連5年で2倍 開示充実も背景:企業は対応コスト増 |
9 | 機械部品ミスミ、基幹システム刷新 | 納期提案100倍速 在庫3千万点データ一元管理 |
10 | 薬錠剤の包装、回収・再生 | 第一三共系 200カ所に箱、CO2半減狙う |
11 | パナソニックHD 在庫3000億円削減 | 来期中、1兆1000億円に 供給網再編や部品共通化 |
12 | 東レ新体制「持続性」に軸足 | 炭素繊維など4500億円投資 新素材で成長回帰描く |
13 | 経済安全保障予算5年で1.8倍 | 米欧日15カ国、2020年の研究開発 伸び、軍事費を越す |
14 | 原料高、6兆円の減益要因 | 主要21社、今期は前期比コスト6兆1500億円増 円安に加え、電力・ガスの調達コスト影響大 |
≪用語解説:記事内の用語と企業、統計図表を確認しましょう≫
製造業の原材料在庫、3年で1.5倍 「持たざる経営」変化 |
在庫をできるだけ抱えないようにする「持たざる経営」が変化している。供給網の混乱が長引き、一定の在庫を持たなければ安定生産が難しくなっているためだ。米中対立など世界経済の分断の深まりも企業戦略の見直しを迫る。![]() |
機械部品ミスミ、納期提案100倍速 |
機械部品で世界最大級の品揃えを持つミスミグループ本社はデジタルトランスフォーメーションで、顧客の調達プロセスのムダを省く。自社と協力メーカーで3000万点超の規格部品の在庫データを一元管理し、複雑な調整のいる大口注文でも最短5分で完結させ、納期の提案スピードを100倍近くにする。![]() |
経済安保の研究開発予算、5年で1.8倍 |
米欧日の政府が経済と安全保障を結ぶ経済安全保障に資金を積極的に振り向けている。伝統的な安保である防衛に、エネルギーや科学技術といった分野を加えた研究開発予算を積み上げると、主要15カ国合算で2020年に約1800億ドル(約23兆5000億円)となった。15年の1.8倍に達した。軍事費の増加を上回る伸び率で、広義の安保予算が膨張する様子が浮かび上がる。![]() |