2023年4月報告

5. 内閣府景気ウォッチャー調査

3月の現状判断DI(季節調整値)は、前月差1.3ポイント上昇の53.3となった。家計動向関連DIは、住宅関連等が上昇したことから上昇した。企業動向関連DIは、製造業等が上昇したことから上昇した。雇用関連DIについては、上昇した。3月の先行き判断DI(季節調整値)は、前月差3.3ポイント上昇の54.1となった。家計動向関連DI、企業動向関連DI、雇用関連DIが上昇した。なお、原数値でみると、現状判断DIは前月差4.2ポイント上昇の55.2となり、先行き判断DIは前月差2.1ポイント上昇の54.1となった。今回の調査結果に示された景気ウォッチャーの見方は、「景気は、持ち直している。先行きについては、価格上昇の影響等を懸念しつつも、持ち直しが続くとみている。」とまとめられる。

※地域の景気に関連の深い動きを観察できる立場にある人々の協力を得て,地域ごとの景気動向を的確かつ迅速に把握し,景気動向判断の基礎資料とすることを目的とする。調査は毎月,当月時点であり,調査期間は毎月25日から月末である。本調査業務は,内閣府が主管し,下記の「取りまとめ調査機関」に委託して実施している。各調査対象地域については,地域ごとの調査を実施する「地域別調査機関」が担当しており,「取りまとめ調査機関」において地域ごとの調査結果を集計・分析している。

2.サプライチェーン関連記事抜粋:令和5年3月1日~3月31日

 主題概要
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≪用語解説:記事内の用語と企業、統計図表を確認しましょう≫

製造業の原材料在庫、3年で1.5倍 「持たざる経営」変化
在庫をできるだけ抱えないようにする「持たざる経営」が変化している。供給網の混乱が長引き、一定の在庫を持たなければ安定生産が難しくなっているためだ。米中対立など世界経済の分断の深まりも企業戦略の見直しを迫る。
機械部品ミスミ、納期提案100倍速
機械部品で世界最大級の品揃えを持つミスミグループ本社はデジタルトランスフォーメーションで、顧客の調達プロセスのムダを省く。自社と協力メーカーで3000万点超の規格部品の在庫データを一元管理し、複雑な調整のいる大口注文でも最短5分で完結させ、納期の提案スピードを100倍近くにする。

機械部品ミスミ、納期提案100倍速 - 日本経済新聞
経済安保の研究開発予算、5年で1.8倍
米欧日の政府が経済と安全保障を結ぶ経済安全保障に資金を積極的に振り向けている。伝統的な安保である防衛に、エネルギーや科学技術といった分野を加えた研究開発予算を積み上げると、主要15カ国合算で2020年に約1800億ドル(約23兆5000億円)となった。15年の1.8倍に達した。軍事費の増加を上回る伸び率で、広義の安保予算が膨張する様子が浮かび上がる。

経済安保の研究開発予算、5年で1.8倍 - 日本経済新聞