2023年3月報告

3. ユーロ圏景況感指数

S&Pグローバルが3日発表した2月のユーロ圏総合購買担当者景気指数(PMI)改定値は52.0と、8カ月ぶりの高水準となった。サービス部門が好調だった。ユーロ圏の景気後退突入に対する懸念が和らいだ。速報値は52.3、1月は50.3だった。2カ月連続で好不況の分かれ目となる50を上回った。S&Pグローバルのチーフビジネスエコノミストは「2月の経済活動は明確に拡大した。ユーロ圏の景気後退に対する懸念が当面緩和される」と指摘。

「企業信頼感が昨年後半に記録した低水準から回復している明確な兆しがある。エネルギー市場に対する懸念の後退や、インフレがピークを過ぎ、景気後退リスクが緩和した兆しが支援要因だ」と述べた。

1年先に対する楽観度を示す先行き生産指数は60.4から61.2に上昇。1年ぶりの高水準となった。2月のユーロ圏サービス部門PMI改定値は52.7。速報値は53.0、1月は50.8だった。

※米国の金融情報サービス大手S&P グローバル(S&P Global Inc.)は、米ニューヨーク市に本拠を置く金融サービス企業。S&P グローバル・レーティングやS&P ダウ・ジョーンズ・インデックスなど、四事業体の親会社にあたる。旧社名はマグロウヒル・ファイナンシャル。S&P グローバルは金融サービス企業であるが、旧社名のマグロウヒルは出版社であり、金融サービス業との関係は、スタンダード&プアーズの買収以降となる。スタンダード&プアーズは、1906年にルーサー・リー・ブレイクが設立したスタンダード統計(Standard Statistics Bureau)と、1860年にヘンリー・ヴァーナム・プアーが創業したプアー出版(H.V. and H.W. Poor Co.)が、1941年に合併して発足した。1966年、マグロウヒルはスタンダード&プアーズを買収し、以降、出版社が金融サービス業を子会社の事業として抱える形態が続いた。1995年に社名をThe McGraw-Hill Companiesに変更。2009年12月にブルームバーグにビジネスウィーク誌を売却した。2013年5月1日に、マグロウヒルはマグロウヒル・ファイナンシャルに社名変更、2016年4月、子会社のJDパワーを売却、またS&P グローバルに社名変更した 。