2. 米非製造業景況感指数:非製造業回答者の声
Services PMI® at 55.1%
February 2023 Services ISM® Report On Business®
Index | 指数 | 12月 | 1月 | 2月 | |
1. | Business Activity Index | 事業活動指数 | 54.7 | 60.4 | 56.3 |
2. | New Orders Index | 新規注文指数 | 45.2 | 60.4 | 62.6 |
3. | Employment Index | 雇用指数 | 49.8 | 50.0 | 54.0 |
4. | Supplier deliveries index | サプライヤー出荷指数 | 48.5 | 50.0 | 47.6 |
This report reflects the U.S. Department of Commerce’s recently completed annual adjustments to the seasonal adjustment factors used to calculate the indexes.
(本報告書は米国商務省の直近に発表された年間調整を本指数計算での季節調整済み要因に反映している)
【解説】 米サプライマネジメント協会(ISM)が3日発表した2月の米非製造業(サービス業)景況感指数は前月より0.1ポイント低い55.1だった。市場予想(54.5)を上回り、好不況の分かれ目になる50も2カ月連続で超えた。堅調なサービス需要がインフレの高止まりにつながるリスクがくすぶっている。同指数は2022年12月に急落して2年7カ月ぶりに節目の50を割り込んだ後、1月に再び50を上回り、2月も同水準を維持した。22年末に米国の多くの地域を襲った記録的な寒波が一時的にサービス需要を鈍らせたものの、23年以降は消費が回復していることを示唆している。主な項目では新規受注が2.2ポイント上昇し、62.6となった。不動産や運輸・倉庫、宿泊・飲食など14業種で受注が伸び、受注が減った3業種を大きく上回った。雇用環境を映す指数は4ポイント高い54になった。回答企業からは「応募者の増加に伴い新規雇用も拡大した」、「業務量の拡大に対応して雇用水準を切り上げた」といった声が上がった。ISMの2月の米製造業景況感指数は47.7と前月からわずかにプラスに転じたものの、節目の50を4カ月連続で下回った。高インフレや米連邦準備理事会(FRB)の利上げ継続が企業活動全般に重荷となるなか、家計の根強い消費意欲が米経済を支えている。サービス需要の強さは賃金の高止まりにつながり、インフレ長期化に結びつく。PNCフィナンシャル・サービシズ・グループは「家計のサービス支出が続く限り、インフレ圧力も持続して米経済安定の脅威になる」とみる。「1〜2月のサービス需要の強さの一部は年明けの暖冬の影響もある」(調査会社パンテオン・マクロエコノミクス)との指摘もあり、FRBも市場も堅調な消費やインフレの持続性を見極めようとしている。
サービス業回答者の声WHAT RESPONDENTS ARE SAYING
1 | Construction 建設工事 | 活動は安定している。コストは上昇し続け、当社が第1四半期と第2四半期に期待していた利益が削られている。 |
2 | Educational Services 教育サービス | 入手可能性と出荷回転数が僅かに改善されている。 |
3 | Retail Trade 小売業 | 来年の販売予測の低下に合わせるため、在庫を適切な規模にする努力が続いている。 |
4 | Wholesale Trade 卸売業 | 事業活動は先月に比べ僅かに改善してきた。サプライヤー出荷状況は一層早くなり、メーカーからの充填率は安定しているようだ。顧客は現在、非常にコスト意識が高く、より低価格の製品選択肢を求めている。 |
5 | Health Care & Social Assistance 健康管理・社会支援 | インフレは、過去 六か月の頂点から幾分緩和されたけれども、サプライヤーからのより高い価格要求が続いている。病院の数は改善しているも、全ての状況で新型コロナウイルス流行前の段階に戻ってはいない。 |
6 | Professional, Scientific & Technical Services 専門的、科学技術的サービス | 需要の顕著な増加に併せ新しい景気循環が始まっている。 |
7 | Finance & Insurance 金融・保険 | 価格上昇圧力は僅かに緩和されたが、依然上昇基調だ。 |
8 | Information 情報 | 市場における現在の原動力は、コスト削減を益々難しくしている。多くの産業は、インフレと高価な労働市場によって窮地に陥っている。以前は、コスト削減が目標であったが、今はコストを回避することだ。とは言え、当社は、利益を維持するためにコストを削減することができない、よって利益確保のため従業員の給与を一層前向きに削減しなければならない。 |
9 | Mining 鉱山業 | 一般に活動状況は横這いだ。 |
10 | Accommodation & Food Services 宿泊・飲食 | 経済的な逆風にも拘わらず、販売活動は総じて堅調だ。 |
11 | Management of Companies & Support Services 会社経営・支援サービス | 活動の緩やかな減少が見られるが、2009 年のような崩壊状態ではない。 |
12 | Utilities ユーティリティ社会生活基盤 | 電力業界では、一部の資材で納期と入手可能性が若干改善されてきたが、導体、コネクタ、ゴム成形品、変圧器にはまだ課題が残っている。 |