2023年2月報告

2. 米非製造業景況感指数:非製造業回答者の声

Services PMI® at 55.2%

January 2023 Services ISM® Report On Business®

 Index指数11月12月1
1.Business Activity Index事業活動指数64.754.760.4
2.New Orders  Index新規注文指数56.045.260.4
3.Employment Index雇用指数51.649.850.0
4.Supplier deliveries indexサプライヤー出荷指数53.848.550.0

This report reflects the U.S. Department of Commerce’s recently completed annual adjustments to the seasonal adjustment factors used to calculate the indexes.

(本報告書は米国商務省の直近に発表された年間調整を本指数計算での季節調整済み要因に反映している)

【解説】 米サプライマネジメント協会(ISM)が3日発表した1月の米非製造業(サービス業)景況感指数は前月2022年12月分から6ポイント高い55.2となった。2カ月ぶりに好不況の節目である50を超えた。企業の活動や新規受注が回復した。低迷が続く製造業とは明暗が分かれた。サービス業の景況感は22年12月に急落し、2年7カ月ぶりに好不況の節目である50を割り込んでいた。23年1月は市場予測(50.6程度)を大きく上回る回復で、堅調さを保っていた22年11月までの傾向に戻った。大和証券キャピタル・マーケッツアメリカのエコノミストは「12月の急落は統計的なノイズだった可能性を示唆している」と指摘した。

項目別では、新規受注が前月より大幅に回復し、15.2ポイント高い60.4となった。企業活動を示す指数も60.4と、6.9ポイント上昇した。調査対象の企業からは「消費者心理が回復しており、人々がぜいたく品にお金を使いたがっている」(宿泊・飲食サービス)との声があった。サプライヤーの納期に関する指数は1.5ポイント上昇し、50.0となった。同指数は50を超えると納期が遅れることを示す。不動産・リース業の企業は「納期遅延はまだ続いているが、過去2年に比べれば減った」と指摘した。雇用環境を映す指数はわずかに上がり、0.6ポイント高い50.0だった。IT(情報技術)や金融分野では人員削減の動きが広がるが、飲食業などは人手不足が続く。企業からは「労働需給は逼迫しており、適した人材を見つけられない」との声が寄せられたという。

サービス業回答者の声WHAT RESPONDENTS ARE SAYING

1Construction 建設工事新規住宅市場は、住宅ローン金利の上昇により、依然動揺している。コストが横這い傾向にあるため、新参者の価格帯では売上が劇的に落ち込んでいる。
2Other Services その他のサービス注文は堅調だが、サプライ チェーン内の問題により、出荷に対する顧客の期待を支援するのは難しい。
3Retail Trade       小売業ピーク時の季節が終わる。サプライ チェーンは強化されており、生産能力は以前より向上している。
4Wholesale Trade    卸売業新規住宅着工の減速により、景気は前年より僅かに遅くなっている。当社は、また電子商取引の輸送量と売上の減速も見ている。
5Health Care & Social Assistance        健康管理・社会支援サービスの需要は依然高い状態だが、サプライ チェーン寸断が続いているにも関わらず、当社は、引き続き需要を満たしている。採血用品など一年以上制約されていた一部の分野で改善が見られる。その他は適度に改善されているが、一貫性が維持される程度には達していない。労働力も適度に改善されており、職員の燃え尽き症候群や疲労の軽減に役立っている。 2023年の予測は現状では楽観的だ。
6Professional, Scientific & Technical Services 専門的、科学技術的サービス年末商戦の減速に続き、販売活動は僅かに増加している。国内と国際的な景気後退の警告兆候がまだ見られる。金利上昇が影響し、2023 年の第 1 四半期の見通しは、2022 年の同時期より低く見積もられている。
7Agriculture, Forestry, Fishing & Hunting 農林漁業・狩猟一般的に景気は堅調で、人件費と梱包などの分野での制限により、売上が期待を越えることができない。
8Utilities 社会生活基盤 ユーティリティ2022 年末の景気は良好だが、素晴らしくはない。 2023 年の景気後退の可能性に備えているが、経済全体には楽観的な見方をしている。
9Information 情報市場には、依然不確実性があるが、サプライチェーン問題が緩和されているという一般的な感覚がある。困難な時期が過ぎ去ったという非現実的な期待はないが、当社は、2023年について慎重ながらも楽観的である。
10Real Estate, Rental & Leasing 不動産・賃貸・リース当社では、依然出荷遅延が発生しているものの、過去二年間よりは少なくなっている。リードタイムが新型コロナウイルス疫病以前のレベルに戻ることを願うばかりだ。
11Accommodation & Food Services 宿泊・飲食サービス原材料の入手可能性と納期は改善されたが、依然、課題が残っている。当社の見通しでは成長については前向きだ。消費者信頼は戻ってきており、人々は贅沢品にお金を使うことに一層意欲的になっている。