4. 中国の製造業景況感
中国国家統計局が30日発表した2022年11月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は48.0だった。10月より1.2ポイント悪化し、好調・不調の境目である50を2カ月連続で下回った。新型コロナウイルスの感染再拡大をうけ各地で行動制限を厳しくしたため、生産や新規受注が落ち込んだ。内訳をみると、柱の新規受注は46.4、生産は47.8で、10月と比べてそれぞれ1.7ポイント、1.8ポイント低かった。新規雇用を示す数値も悪化した。企業の規模別では大企業、中堅企業、中小零細企業のいずれも指数が低下し、50を下回った。とりわけ中小零細企業は45.6と、上海市のロックダウンで経済が悪化した4月と同じ低さとなった。下落幅も2.6ポイントと最も大きく、中小零細企業の先行き不安は根強い。同時に発表した11月の非製造業のビジネス活動指数は46.7だった。10月から2.0ポイント低下し、2カ月連続で節目の50を割り込んだ。コロナ規制で外食や娯楽など接触型消費が打撃をうけ、サービス業の悪化が目立った。
※PMI(中国製造業購買担当者景気指数)は全国の製造業約820社の購買担当者を対象にしたアンケート調査。生産や受注について50を上回ると拡大,下回ると減少を示す。非製造業には建設,郵便,ソフトウェア,航空,鉄道,小売り,ケータリングが含まれる。
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