3. ユーロ圏景況感指数
S&Pグローバルが5日発表したユーロ圏の11月の総合購買担当者景気指数(PMI)改定値は速報値から変わらずの47.8だった。好不況の分かれ目の50を5カ月連続で下回ったが、23カ月ぶりの低水準だった10月の47.3から上昇し、ユーロ圏が穏やかな景気後退に陥っていることを示唆した。雇用指数は52.5から51.8に低下。需要が再び減少し、景気回復の見通しが立たないため企業は採用を控えている。サービス部門PMIは48.6から48.5に低下し、2021年初頭以来の低水準。速報値の48.6から下方修正された。ただ投入価格指数と産出価格指数がともに低下し、インフレ圧力がすでにピークに達した可能性を示唆した。S&Pグローバル・マーケット・インテリジェンスのチーフビジネスエコノミストは「インフレがピークに達した兆しを調査は示しており、物価上昇による需要への逆風は、冬の寒さが厳しくならなければ今後数カ月で和らぎ始めるだろう。不況が短期間で比較的穏やかなことを示唆する」と述べた。その上で、11月の指標からはこれまでの経済縮小が0.2%程度だったことを示すとの見方を示した。
※米国の金融情報サービス大手S&P グローバル(S&P Global Inc.)は、米ニューヨーク市に本拠を置く金融サービス企業。S&P グローバル・レーティングやS&P ダウ・ジョーンズ・インデックスなど、四事業体の親会社にあたる。旧社名はマグロウヒル・ファイナンシャル。S&P グローバルは金融サービス企業であるが、旧社名のマグロウヒルは出版社であり、金融サービス業との関係は、スタンダード&プアーズの買収以降となる。スタンダード&プアーズは、1906年にルーサー・リー・ブレイクが設立したスタンダード統計(Standard Statistics Bureau)と、1860年にヘンリー・ヴァーナム・プアーが創業したプアー出版(H.V. and H.W. Poor Co.)が、1941年に合併して発足した。1966年、マグロウヒルはスタンダード&プアーズを買収し、以降、出版社が金融サービス業を子会社の事業として抱える形態が続いた。1995年に社名をThe McGraw-Hill Companiesに変更。2009年12月にブルームバーグにビジネスウィーク誌を売却した。2013年5月1日に、マグロウヒルはマグロウヒル・ファイナンシャルに社名変更、2016年4月、子会社のJDパワーを売却、またS&P グローバルに社名変更した 。