2022年11月報告

3. ユーロ圏景況感指数

S&Pグローバルが2日発表した10月のユーロ圏製造業購買担当者景気指数(PMI)改定値は46.4と、29カ月ぶりの低水準だった。速報値の46.6から下方修正された。9月は48.4。生活費の上昇で需要が大幅に減少し、製造業が不況に陥っていることが浮き彫りになった。

生産指数は43.8と、前月の46.3から低下。5カ月連続で好不況の分かれ目となる50を下回った。S&Pグローバル・マーケット・インテリジェンスは「ユーロ圏製造業は一段と縮小した。製造部門が景気後退に突入したことを明確に示している」と指摘。「10月は新規受注が調査開始以来25年間で稀に見るペースで減少した。これ以上のペースで減少したのは、新型コロナウイルス流行の最悪期と2008─09年の世界的な金融危機の真っ最中だけだ」と述べた。新規受注指数は37.9。前月は41.3。インフレ圧力は高止まりしているが、やや緩和した。ウクライナ戦争やエネルギー高騰に終息の兆しが見えない中、企業の楽観度は2020年5月以降で最低。同インテリジェンスは「製造業のセンチメントは依然マイナスの領域にあり、企業が来年に入っても長期間厳しい状況が続くと予想していることを示している」と述べた。

※米国の金融情報サービス大手S&P グローバル(S&P Global Inc.)は、米ニューヨーク市に本拠を置く金融サービス企業。S&P グローバル・レーティングやS&P ダウ・ジョーンズ・インデックスなど、四事業体の親会社にあたる。旧社名はマグロウヒル・ファイナンシャル。S&P グローバルは金融サービス企業であるが、旧社名のマグロウヒルは出版社であり、金融サービス業との関係は、スタンダード&プアーズの買収以降となる。スタンダード&プアーズは、1906年にルーサー・リー・ブレイクが設立したスタンダード統計(Standard Statistics Bureau)と、1860年にヘンリー・ヴァーナム・プアーが創業したプアー出版(H.V. and H.W. Poor Co.)が、1941年に合併して発足した。1966年、マグロウヒルはスタンダード&プアーズを買収し、以降、出版社が金融サービス業を子会社の事業として抱える形態が続いた。1995年に社名をThe McGraw-Hill Companiesに変更。2009年12月にブルームバーグにビジネスウィーク誌を売却した。2013年5月1日に、マグロウヒルはマグロウヒル・ファイナンシャルに社名変更、2016年4月、子会社のJDパワーを売却、またS&P グローバルに社名変更した 。