2022年11月報告

2. 米非製造業景況感指数:非製造業回答者の声

Services PMI® at 54.4%October 2022 Services ISM® Report On Business®

 Index指数8月9月10
1.Business Activity Index事業活動指数60.959.155.7
2.New Orders  Index新規注文指数61.860.656.5
3.Employment Index雇用指数50.253.049.1
4.Supplier deliveries indexサプライヤー出荷指数54.553.956.2

This report reflects the U.S. Department of Commerce’s recently completed annual adjustments to the seasonal adjustment factors used to calculate the indexes.

(本報告書は米国商務省の直近に発表された年間調整を本指数計算での季節調整済み要因に反映している)

【解説】

米サプライマネジメント協会(ISM)が3日発表した10月の非製造業(サービス業)景況感指数は前月から2.3ポイント低下し、54.4になった。2カ月連続の悪化で、新型コロナウイルスの感染拡大の影響が色濃かった2020年5月以来、2年5カ月ぶりの低水準を記録した。高インフレの継続や急速な金融引き締めでサービス需要が冷え込みつつある現状を映した。同指数は小幅な悪化を見込んでいた市場予想(55.5)を下回った。経済活動の拡大・縮小を評価する分かれ目となる50は引き続き超えているものの、新規受注の落ち込みなどでサービス業の活動は緩やかに減速している。サプライヤーの納期に関する指数は56.2と前月から2.3ポイント上昇した。この指数は数値が高くなるほど納期の遅れを示す。10月のISM製造業の同指数は低下しており「サプライチェーンの改善度合いは非常にばらつきがあることを示唆している」。サービス分野の企業が負担するコストにあたる価格指数は低下傾向にあったが、10月は70.7と2ポイントの上昇に転じた。同指数もISM製造業では低下が続いており、「サービス業のインフレ圧力はなお強い」との受け止めが広がっている。

サービス業回答者の声WHAT RESPONDENTS ARE SAYING

1Construction 建設工事顧客はプロジェクトを遅らせたり、小規模な作業範囲に入ったりし始めている。当社が思うに、これは不確実な経済環境が続くのだろう。
2  Accommodation & Food Services  宿泊・料飲サービスマイナスのインフレつまりデフレの知らせ、ガス価格の上昇、不況の懸念にも関わらず、通常、季節的な低迷期にある当社レストランの売り上げは、回復してきている。 当社は、2019 年 (新型コロナウイルス疫病パンデミック前) に対し、前向きであり、取引高は約 4% しか減少していないため、回復している。人材とサプライチェーンの課題は改善されるも、主要商品の落ち込みを見ているところだ。
3Educational Services 教育サービス一部の紙とIT関連製品には、サプライチェーンの課題がある。
4Retail Trade       小売業売り上げは減少するも、当社は、休暇を成功させるための最終準備を進めている段階だ。今年は労働力がより利用可能になり、サプライチェーンの遅れは今のところ追いついているようだ。
5Wholesale Trade    卸売業一部の商品では供給過剰のブルウィップ現象(余裕をもたせた在庫保有)が発生している一方で、他の商品では依然不足が続いている。市場は非常に一貫性なく回復している。
6Health Care & Social Assistance        健康管理・社会支援品不足と安定化の遅れ。労働力確保と患者数は引き続き課題である。
7Professional, Scientific & Technical Services 専門的、科学技術的サービス当社は、不況に備えるため、利害関係者、顧客、サプライヤーは、全てを引き締め、新規支出を削減している。当社は、戦略的な更新に注力し、最も重要な技術プロジェクト向けに最も近いサプライヤー提携者と必要な場合にのみ拡張している。
8Agriculture, Forestry, Fishing & Hunting 農林漁業・狩猟  景気は依然生ぬるい。購買職が緊急販売に必要なものだけを購入することを計画していると伝えるので販売量が減少傾向にあるという一般的な懸念を持っている。
9Other Services その他のサービス業電子部品の納期は長くなり、ほぼ一年近く延びている。現時点では、インフレ圧力に基づいて価格設定に大きな変化は見られないが、年初以降は変化が見られると期待している。取引高は堅調を維持している。
10Transportation & Warehousing 運輸・倉庫需要の増加、サプライヤーのリードタイムの延長と非常に競争の激しい雇用市場によって、当社のサービスレベルを維持することが一層困難になってきている。
11Real Estate, Rental & Leasing 不動産・賃貸・リース配管、床材、床用接着剤、扉の鍵、寝室と浴室の扉など、一般商品の価格は上昇し続けているようだ。年の半ばに横這いになった後、出荷遅延が増えている。