2022年8月報告

2. 米非製造業景況感指数:非製造業回答者の声

Services PMI® at 56.7%

July 2022 Services ISM® Report On Business®

 Index指数5月6月7
1.Business Activity Index事業活動指数54.556.159.9
2.New Orders  Index新規注文指数57.655.659.9
3.Employment Index雇用指数50.247.449.1
4.Supplier deliveries indexサプライヤー出荷指数61.361.957.8

This report reflects the U.S. Department of Commerce’s recently completed annual adjustments to the seasonal adjustment factors used to calculate the indexes.

(本報告書は米国商務省の直近に発表された年間調整を本指数計算での季節調整済み要因に反映している)

【解説】米サプライマネジメント協会(ISM)が3日発表した7月の非製造業(サービス業)景況感指数は56.7で、前月から1.4ポイント上昇した。4カ月ぶりの上昇となったが、指数は低水準にとどまった。企業活動や新規受注が上向いた。供給制約などで高止まりしていた企業の仕入れ価格は下落した。市場予想は54で、市場予想に反して上昇した。6月には新型コロナウイルス下に入った2020年5月以来、2年1カ月ぶりの低水準に落ち込んだが、反転した。指数を項目別にみると、7月は「事業活動・生産」が59.9と前月比で3.8ポイント上昇したほか、「新規受注」が同4.3ポイント上昇の59.9となり、指数全体を押し上げた。「雇用」も1.7ポイント改善し49.1となった。(仕入れ)価格は7.8ポイントと大きく低下し、72.3となった。入荷遅延は4.1ポイント下がり57.8だった。専門家は「エネルギー価格の下落を反映しているほか、供給制約の緩和と需要の鈍化を示唆している」と指摘した。

ISMは「サービス業の活動は拡大したものの、労働力不足や様々な原料の不足、インフレが引き続き障壁となっている」との見方を示した。回答企業からは「燃料と食品の価格上昇で客足が鈍っている」(飲食店)、「(住宅ローン)金利の上昇が住宅市場を直撃している。月々の返済に耐えられなくなった住宅購入者からの契約キャンセルが増えている」(建設業)などの声が上がった。サプライマネジメント協会非製造(サービス)業部門調査委員会のアンソニー・ニーブス委員長は「陸路輸送を巡る問題や人員不足、様々な資材の不足、インフレが引き続きサービス業の障害になっている」と述べた。米シニアエコノミストは、今回の数値は「年率2%の国内総生産(GDP)成長率に一致する」と指摘。「借り入れコストが6月にピークを迎え、ガソリン価格が下落しており、実質可処分所得の増加が見込まれることからサービス業の当面の見通しはやや明るい」とした。

サービス業回答者の声WHAT RESPONDENTS ARE SAYING

1Construction 建設工事住宅ローン金利の上昇が住宅市場を直撃している。月々の返済に耐えられなくなった住宅購入者からの契約解約が増えている。当社の地域社会への交通量は減少し、インフレが多くの買手候補を脇に追いやった。
2  Accommodation & Food Services  宿泊・料飲サービスレストランの売り上げは、休暇明けや季節的要因によって、ここ数週間軟化しているが、消費者の圧力、特に燃料と食品価格の影響もあると聞いている。一部の市場では、人員配置が依然として課題となっており、(ロサンゼルス郡)の多くでは、(屋内)マスクの義務化に戻る可能性があるという報道が出ている。
3Educational Services 教育サービス市場全体の強化と改善の兆し、固定予算に重圧をかける価格の上昇。コスト削減から供給の継続性確保へと移管している。高等教育は、志願者の増加と伴に成長している。
4Utilities 公益社会生活基盤堅調に推移しているが、幾つかの逆風が確実に経済面で進んでいる。但し、サプライチェーンの問題は、緩和されているようだが、未だ大きくはなっていない。
5Public Administration  行政全面的に上昇するコストは、現在大きな焦点のようだ。燃料と食料が最も一般的な焦点だが、それは全体的に行われ、また資格のある労働者にとって賃金と他の福利厚生を引き上げる雇用市場の不足という圧力がある。
6Retail Trade       小売業当社は、在庫削減状況にあり、在庫レベルを現在の低い販売傾向に合わせようと試みている。
7Wholesale Trade    卸売業飲食物の提供サービス業は、引き続き好調で、大衆が在庫と消費者支出を過度に懸念しているため小売業は弱体化している。
8Health Care & Social Assistance        健康管理・社会扶助景気は、引き続き新型コロナウイルス疫病流行前の規模を下回っている。患者数と来院数は増加してきているが、過去 6 か月間は横ばいになってきたようだ。
9Management of Companies & Support Services         企業経営支援サービス経済の弱体化を感じる。顧客は、景気後退を見越して適切な動きをみせている。
10Professional, Scientific & Technical Services 専門的、科学技術的サービス雇用需要は、多くの産業界で引き続き堅調だ。IT業界では、雇用と一時解雇が減速してきた。全ての技能程度と職位の求人数は、求職者数より遥かに多いため、依然、求職者市場である。