2022年8月報告

3. ユーロ圏景況感指数

S&Pグローバルが1日発表した7月のユーロ圏製造業購買担当者景気指数(PMI)改定値は49.8と、前月の52.1から低下し、2020年6月以来初めて好不況の分かれ目となる50を下回った。速報値の49.6から小幅に上方修正された。需要低迷で売れ残り在庫が増加しており、景気後退懸念が強まっている。生産指数は約2年ぶり低水準の46.3。前月は49.3だった。チーフ・ビジネス・エコノミストは「ユーロ圏の製造業は一段と急速に悪化しており、景気後退リスクが高まっている。新規受注は     既に、新型コロナウイルス流行に伴うロックダウン(都市封鎖)期間を除けば、2012年の債務危機以降のペースで減少している。今後、更に悪化する可能性が高い」と指摘。「新規受注と輸出の減少ペース加速に反映されているように販売は予想を下回っており、完成品の売れ残り在庫が調査開始以降で最大の増加を記録した」と述べた。新規受注指数は42.6と、45.2から低下。20年5月以来の低水準となった。オランダを除く全ての調査対象国で生産が減少しており、特にユーロ圏三大経済国のドイツ、フランス、イタリアの減少率が懸念されるという。投入価格指数と産出価格指数は低下したが、依然として高水準。

※米国の金融情報サービス大手S&P グローバル(S&P Global Inc.)は、米ニューヨーク市に本拠を置く金融サービス企業。S&P グローバル・レーティングやS&P ダウ・ジョーンズ・インデックスなど、四事業体の親会社にあたる。旧社名はマグロウヒル・ファイナンシャル。S&P グローバルは金融サービス企業であるが、旧社名のマグロウヒルは出版社であり、金融サービス業との関係は、スタンダード&プアーズの買収以降となる。スタンダード&プアーズは、1906年にルーサー・リー・ブレイクが設立したスタンダード統計(Standard Statistics Bureau)と、1860年にヘンリー・ヴァーナム・プアーが創業したプアー出版(H.V. and H.W. Poor Co.)が、1941年に合併して発足した。1966年、マグロウヒルはスタンダード&プアーズを買収し、以降、出版社が金融サービス業を子会社の事業として抱える形態が続いた。1995年に社名をThe McGraw-Hill Companiesに変更。2009年12月にブルームバーグにビジネスウィーク誌を売却した。2013年5月1日に、マグロウヒルはマグロウヒル・ファイナンシャルに社名変更、2016年4月、子会社のJDパワーを売却、またS&P グローバルに社名変更した 。