2022年7月報告

3. ユーロ圏景況感指数

S&Pグローバルが1日発表した6月のユーロ圏製造業購買担当者景気指数(PMI)改定値は52.1と、前月の54.6から低下し、2020年8月以来の低水準となった。2年前の新型コロナウイルス流行初期以降で初めて生産が減少した。物価上昇と経済見通し悪化で消費に慎重な姿勢が広がった。生産指数は拡大・縮小の分かれ目となる50を下回り、2年ぶりの低水準の49.3。前月は51.3だった。新規受注指数は48.7から45.2に低下し、20年5月以来の低水準。先行指標は低迷した。原材料在庫と売れ残り在庫は、生産と販売が予想を下回ったことを受けて増加。受注残高は減少した。チーフ・ビジネス・エコノミストは「今後数カ月で下降の勢いが増しそうだ」と述べた。

※民間企業であるマークイット社が発表するユーロ圏製造業購買担当者景気指数(PMI)とは,景気転換の先行指標であり,製造業の購買担当者へのアンケート調査をもとに指数化したもの。数値が前回より上回った場合,対象国の通貨は買われやすくなる。ESI(欧州委員会景況感指数)は企業や消費者のマインドを表し,国内総生産(GDP)と似た動きを示す代表的な景気指標である。同指数は50が活動拡大と縮小の分かれ目。