2022年3月報告

5. 内閣府景気ウォッチャー調査

2月の現状判断DI(季節調整値)は、前月差0.2ポイント低下の37.7となった。家計動向関連DIは、サービス関連が上昇したものの、飲食関連等が低下したことから低下した。企業動向関連DIは、非製造業等が低下したことから低下した。雇用関連DIについては、上昇した。2月の先行き判断DI(季節調整値)は、前月差1.9ポイント上昇の44.4となった。企業動向関連DIが低下したものの、家計動向関連DI、雇用関連DIが上昇した。なお、原数値でみると、現状判断DIは前月差0.7ポイント上昇の36.6となり、先行き判断DIは前月差2.9ポイント上昇の46.5となった。今回の調査結果に示された景気ウォッチャーの見方は、「景気は、新型コロナウイルス感染症の影響により、持ち直しに弱さがみられる。先行きについては、感染症の動向を懸念しつつも、ワクチン接種の進展等による持ち直しへの期待がある一方、ウクライナ情勢による影響も含め、コスト上昇等に対する懸念がみられる。」とまとめられる。

※地域の景気に関連の深い動きを観察できる立場にある人々の協力を得て,地域ごとの景気動向を的確かつ迅速に把握し,景気動向判断の基礎資料とすることを目的とする。調査は毎月,当月時点であり,調査期間は毎月25日から月末である。本調査業務は,内閣府が主管し,下記の「取りまとめ調査機関」に委託して実施している。各調査対象地域については,地域ごとの調査を実施する「地域別調査機関」が担当しており,「取りまとめ調査機関」において地域ごとの調査結果を集計・分析している。

2.サプライチェーン関連記事抜粋:令和4年2月1日~2月28日

 主題概要
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≪用語解説:記事内の用語と企業、統計を確認しましょう≫

EUガス調達多様化探る
供給網、中国依存が鮮明
報告書「世界経済の潮流」で主要国と中国の貿易構造を分析した。日本は米国やドイツに比べて中国からの輸入に頼る品目がより多い姿が浮き彫りになった。特定の国に調達先を頼る構造が続けば、サプライチェーン(供給網)が滞った場合のリスクを抱えると警鐘を鳴らした。日米独の3カ国で輸入先が集中している品目数を調べた。2019年の3カ国の輸入額に占める中国の比率は日本が23.3%と最も高く、米国は18.1%、ドイツは8.5%だった。

マレリ、再建支援要請
タイ製糖最大手 バイオプラ参入
世界のプラスチック生産量のうち、バイオプラの比率はまだ1%に満たないが、環境志向の高まりを受けて、今後は急速に普及する見通しだ。欧州バイオプラスチック協会によると、バイオプラの世界の生産能力は26年に21年比3倍超の約759万トンに増える見通し。

車部品、在庫3割積み増し