3. ユーロ圏景況感指数
IHSマークイットが1日に発表した2月のユーロ圏の製造業購買担当者景気指数(PMI)改定値は58.2と、前月の58.7から低下した。速報値の58.4からも下方修正された。ただ、好不況の分かれ目となる50はなお大幅に上回っており、供給網の目詰まりも緩和される中、堅調な内容と言える。一方、製造業者と消費者ともに物価の急上昇に直面していることも浮き彫りになった。生産指数は55.5で、前月の55.4から小幅ながら上昇した。シニアエコノミストは「PMI自体の低下に惑わされてはいけない。2月はユーロ圏の製造業セクターにとって、おおむね明るい月だったと考えるべきだ」と指摘。「欧州がオミクロン株流行を乗り越え、企業も回復に向けて取り組みを進める中、基調的な販売状況は明らかに好転している」と述べた。
※民間企業であるマークイット社が発表するユーロ圏製造業購買担当者景気指数(PMI)とは,景気転換の先行指標であり,製造業の購買担当者へのアンケート調査をもとに指数化したもの。数値が前回より上回った場合,対象国の通貨は買われやすくなる。ESI(欧州委員会景況感指数)は企業や消費者のマインドを表し,国内総生産(GDP)と似た動きを示す代表的な景気指標である。同指数は50が活動拡大と縮小の分かれ目。