1. 米製造業景況感指数:製造業回答者の声
Manufacturing PMI® at 58.6%
February 2022 Manufacturing ISM® Report On Business®
- New Orders, Production, & Employment Growing 新規注文、生産、雇用は全て増加
- Supplier Deliveries Slowing at a Slower Rate; Backlog Growing サプライヤー出荷は緩慢な遅れ;受注残は増加
- Raw Materials Inventories Growing; Customers’ Inventories Too Low原材料在庫増加;顧客在庫過少
- Prices Increasing; Exports and Imports Growing 価格上昇;輸出入増加
【解説】米サプライマネジメント協会(ISM)が1日発表した2月の米製造業景況感指数は58.6で前月から1.0ポイント上昇した。4カ月ぶりの上昇で、ダウ・ジョーンズまとめの市場予測(58.0程度)をやや上回った。個別指数は「新規受注」が61.7で3.8ポイント、「生産」が58.5で0.7ポイントそれぞれ上昇した。一方、「雇用」は52.9で1.6ポイント低下した。ISMは、新型コロナウイルスの変異型「オミクロン型」の流行による悪影響が急速に小さくなったと指摘。「新規受注」と「受注残」が伸びており、3月以降の好況が期待できると分析した。供給制約や労働不足は続いているが、企業の楽観度は1月より改善したという。回答企業「需要は引き続き強く、受注残が増えている。部品が手に入るようになり生産は安定してきたが、受注残を減らすほどの生産増は難しい」(電気機器・部品製造業)、「市場の回復で前年比10%ほど収益が増している」(機械製造業)などとコメントした。
米ISM製造業景況感指数 |
製造業約350社の購買担当者に対し受注や生産状況をアンケート調査により聞き取りし、月初めの第1営業日(その2日後に非製造業を公表)に公表している統計。日本の企業短期経済観測調査(日銀短観)に似た統計といえます。米主要統計の中でも最も早く月初めに発表されるため、市場関係者の注目度が高く、景気の先行指標とされています。一般に好不況の判断の境目とされる50%を割れると景気後退で、50%を超えると景気拡大と判断されます。GDPとの関連性を持たせるために2008年1月分の統計より算出方法が変更され、現在は「新規受注・生産・雇用・入荷遅延・在庫」の5項目(比率はそれぞれ20%)につき、「増加、同じ、減少」の回答結果をもとに算出する。民間調査機関13社の予測値(中心値)が前もって出回るので、リリース時にはそのギャップも重要になります。 |
製造業回答者の声WHAT RESPONDENTS ARE SAYING …
1 | Chemical Products 化学製品 | 小売業が戻ってきているため、売上が堅調に伸びている。 |
2 | Transportation Equipment 輸送機械 | 輸送機器の需要は引き続き堅調で、輸送サービスの供給は、サプライチェーンにとって引き続き大きな課題だ。 |
3 | Food, Beverage & Tobacco Prod 食品・飲料・煙草 | 強い需要は当社の伝統的な季節性曲線を越えて続いている。海上貨物の調達における継続的な困難と相まって、操業計画とコスト管理が当社の最大の課題である。 |
4 | Fabricated Metal Products 金属加工製品 | 鉄鋼製品の需要は、自動車とエネルギー産業に牽引され、歴史的なレベルにまで増加した。 |
5 | Computer & Electronic Products コンピューター・電子製品 | 電子サプライチェーンは、依然として混乱している。 |
6 | Plastics & Rubber Products プラスチック・ゴム製品 | 景気は依然底堅い。一部の製品で物流と原材料のサプライチェーンの課題に直面している。 |
7 | Textile Mills 繊維工場 | 当社は、強い需要、より高い価格、また継続するサプライチェーンの課題の年に戻ることを期待する。 |
8 | Machinery 一般機械 | 市場が戻ってきたことで前年比約10%の収益成長が見られた。しかし、自動車分野では、マイクロチップ不足が成長の鈍化を引き起こしている。 |
9 | Miscellaneous Manufacturing その他の製造 | 事業環境は良好で、需要は引き続き堅調で、当社は、需要に追いつくため引き続き挑戦している。 |
10 | Electrical Equipment, Appliances & Components電気機器・電化製品と関連部材 | 需要は引き続き旺盛で、受注残が増加している。部品の入手可能性により生産は安定しているが、受注残を減らすほどの生産増は難しい。 |