2021年12月報告

4. 中国の製造業景況感

財新/マークイットが1日発表した11月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)は49.9と、業況改善・悪化の節目である50を割り込んだ。鈍い需要と雇用の減少、物価高止まりが響いた。ロイターがまとめた市場予想は50.5で、10月の実績は50.6だった。中国国家統計局が30日発表した11月の製造業PMIが3カ月ぶりに50を上回ったのは対照的な結果となった。財新のPMIは小規模企業に焦点を当てている。シニアエコノミストは「製造業の供給は改善したが、需要は低下した。電力不足をはじめとする供給制約の緩和により生産の回復ペースが加速した」と分析。需要については「比較的弱かった。新型コロナウイルス流行と製品価格の上昇に抑えられた」と説明した。11月に生産は4カ月ぶりに拡大したが、新規受注は減少に転じた。雇用は減少ペースが加速した。

投入価格の指数は前月の65.1から52.3に低下、産出価格の伸び鈍化につながった。ただ、一部の原材料価格は高止まりし、企業はなお大きいコスト圧力に直面している。政策当局者はインフレに真剣に取り組む必要があるとしている。

※PMI(中国製造業購買担当者景気指数)は全国の製造業約820社の購買担当者を対象にしたアンケート調査。生産や受注について50を上回ると拡大,下回ると減少を示す。非製造業には建設,郵便,ソフトウェア,航空,鉄道,小売り,ケータリングが含まれる。