5. 内閣府景気ウォッチャー調査
V 内閣府景気ウォッチャー調査
9月の現状判断DI(季節調整値)は、前月差7.4ポイント上昇の42.1となった。家計動向関連DIは、飲食関連等が上昇したことから上昇した。企業動向関連DIは、非製造業等が上昇したことから上昇した。雇用関連DIについては、上昇した。9月の先行き判断DI(季節調整値)は、前月差12.9ポイント上昇の56.6となった。家計動向関連DI、企業動向関連DI、雇用関連DIが上昇した。なお、原数値でみると、現状判断DIは前月差9.0ポイント上昇の43.3となり、先行き判断DIは前月差15.0ポイント上昇の56.7となった。今回の調査結果に示された景気ウォッチャーの見方は、「景気は、新型コロナウイルス感染症の影響による厳しさは残るものの、持ち直しの動きがみられる。先行きについては、内外の感染症の動向を懸念しつつも、ワクチン接種の進展等によって持ち直しが続くとみている。」とまとめられる。
※地域の景気に関連の深い動きを観察できる立場にある人々の協力を得て,地域ごとの景気動向を的確かつ迅速に把握し,景気動向判断の基礎資料とすることを目的とする。調査は毎月,当月時点であり,調査期間は毎月25日から月末である。本調査業務は,内閣府が主管し,下記の「取りまとめ調査機関」に委託して実施している。各調査対象地域については,地域ごとの調査を実施する「地域別調査機関」が担当しており,「取りまとめ調査機関」において地域ごとの調査結果を集計・分析している。
2.物流・購買・調達・サプライチェーン関連記事抜粋:令和3年9月1日~9月30日
主題 概要 1 コスト半減の太陽電池、量産 ペロブスカイト型を月内に ポーランド新興、建物壁面に 2 スマホ省エネ技術の米社:Etaワイヤレス 村田製作所、160億円で買収 6G睨む 3 サムスン、国内調達網急ぐ 半導体装置・素材9社に260億円 日韓・米中:政治リスクに備え 4 業務用容器をリユース 米ループ:ホテルのシャンプーなど 2022年、サービス開始 5 米贈賄規制に高まる警戒 FCPA再開の兆し バイデン政権が摘発再開、各国でリスク 企業、内部統制強める 6 フィリピン航空、難路の再建 米で破産法申請、財務強化へ:客戻らず、政府支援は期待薄 他社との提携深化も焦点 7 「工場隔離」ベトナムに影 敷地内で衣食住 感染拡大で稼働率低下 8 グリーン供給網、見える化 環境対策、ブロックチェーンで記録 プラ再生工程追跡・再エネ電力の証明 9 CO2貯留、日本勢に商機:CCS設備 三菱重工シェア7割:欧米勢も追撃 市場育成に法政の壁 10 カナダのアパレル大手ルルレモン 御三家の一角崩す 時価総額H&M上回る ネット販売5割:利益率10%超 11 東南アジア食品大手:調達で人権配慮 タイ・ユニオングループ:漁船にカメラ、労働可視化 「倫理的」強まる視線 12 日立、供給網全体で脱炭素 2050年度までに、3万社巻き込む 気候変動領域のイノベーターとなる 13 トルコ、アフリカ進出加速 インフラ受注額、昨年5割増 北部から開拓、中国追う
≪用語解説:記事内の用語と企業を確認しましょう≫
ペロブスカイト太陽電池 Perovskite Solar Cell、PSC ペロブスカイト結晶を用いた太陽電池。色素増感太陽電池の一種でペロブスカイト型では、従来の色素の代わりにペロブスカイト材料を用い、正孔輸送材料(Hole Transporter Material)としてのヨウ素溶液の代わりに、Spiro-OMeTADなどを使用する。2009年にハロゲン化鉛系ペロブスカイトを利用した太陽電池が桐蔭横浜大学の宮坂力らによって開発された。 2009年のエネルギー変換効率は CH3NH3PbI3 を用いたものでは3.9%であった。変換効率の向上スピードと低コスト製造の観点から、将来的な商用太陽電池として注目されている。ハライド系有機-無機ペロブスカイト半導体 (CH3NH3PbI3) は、2009年に初めて太陽電池材料として報告された材料で印刷技術によって製造できるため、低価格化が期待される。環境低負担に対する研究も進んでおり、2017年10月5日理化学研究所がスパコン『京』を用いた材料スクリーニングで鉛を用いない51個の低毒性元素だけからなるペロブスカイト太陽電池の候補化合物を発見している。
Etaワイヤレス社 Eta Wireless 独自のパワーマネジメントIC(PMIC)とDPD(Digital Pre Distortion)アルゴリズムによってRF回路内の電圧を最適化し、消費電力を削減する「Digital ET」技術を有する。村田製作所によると、この専用設計されたPMICはRF回路に必要となる電圧をデジタル化かつ最適化し、5G(第5世代移動通信)などの広帯域幅信号にも対応したほか、過剰な電力消費の抑制に貢献する。また、DPDアルゴリズムはRF回路内で発生するひずみやノイズを低減する独自のアルゴリズム設計により、さらなる消費電力の削減を実現する、と言う。 The ETAdvanced power management chip for wireless communications can reduce the power consumption by up to 50% for smartphones, wearables and IoT devices. It is a fundamentally new power amplifier architecture that operates like a highly efficient gearbox, constantly throttling the energy consumption of devices to provide just the right amount of power needed. ETAdvanced will also significantly reduce the heat radiating from the device.
米テラサイクルTerraCycleの容器回収・再利用事業Loop (ループ) P&Gジャパンやイオン、味の素、キヤノンなど13社が参画してスタートするLoopは、欧米の一部で始まっている。世界20カ国以上でリサイクル事業を手がける米国のベンチャー企業、テラサイクルが2019年5月にアメリカ、フランスでスタートした「Loop」。再利用可能な容器ボトルを用いてECや小売店で販売し、使用後に容器ボトルを回収し、洗浄、再充填の後に再販売することでごみを減らす仕組みだ。テラサイクルジャパン合同会社:米TerraCycle Inc.の日本法人。リサイクルが困難なパッケージなどの廃棄物を世界各国で回収し、様々な製品にリサイクルするグローバル企業。テラサイクルは21カ国で事業を展開し、大手企業やブランドと恊働で使用済みのパッケージ等を回収し、原料や製品として再利用し廃棄物は回収リサイクルプログラムを通じて、消費者や各種団体、企業などから回収される。このプログラムでは、協力者からの回収量によってテラサイクルポイントが付与され、そのポイントは学校や慈善事業への寄付金として交換できるシステムを導入し、吸い殻、使用済みメイクアップ容器、使用済みハブラシを回収、新たな商品に生まれ変わらせるプログラムを実施している。
連邦海外腐敗行為防止法 The Foreign Corrupt Practices Act of 1977 米国の連邦法で、二つの主要な規定を有することにより知られている。第一は、外国公務員に対する賄賂の支払を禁止する規定であり、第二は、証券取引法に基づく会計の透明性を要求する規定である。賄賂禁止規定は、次の行為を禁止している: 上場企業、国内企業、又はいかなる者であっても、不正に、外国公務員、外国の政党、政治職の候補に対し、当該外国公務員がその義務に反する行為をするよう影響を与える目的で取引を獲得し維持するためにいかなる有価物であってもその支払をし、その申し出をするために州際通商における手段を利用すること。 また、上記のような違法な支払や申し出を実現するための行為を、(a)上場企業や国内企業が米国外で行ったり、(b)上場企業でも国内企業でもない者(米国に上場していない外国企業や外国個人)が米国内で行うことも禁じられる。賄賂額が取るに足らない場合でもこの法律は適用される。当局は、賄賂の金額よりも、その目的を重要視している。 賄賂禁止規定は、外国公務員への支払について、賄賂と、「円滑化のための支払」(facilitation or grease payments)とを区別しており、後者は現地法上違法でなければ許されている。主な違いは、円滑化のための支払は、外国公務員が、いずれにしても遂行しなければならない義務のある職務を、円滑に行わせるために支払われるものだという点にある。しかしながら、賄賂と円滑化のための支払の境界線は必ずしも明確ではなく、個々の事情を勘案して弁護士などの専門家のアドバイスを得た上で行うべきだとされている。
CO2を回収し貯留する技術「CCS」 CCS・CCUSはCO2削減のために不可欠な技術で、パリ協定の目標を達成するためには、環境技術へのさまざまな投資が必要。2020年1月に策定された「革新的環境イノベーション戦略」では、世界のCO2排出量と吸収量がプラスマイナスゼロになる「カーボンニュートラル」を実現するような技術、更に、過去に排出された大気中のCO2をも削減する「ビヨンド・ゼロ」を可能とするような革新的技術を、2050年までに確立することを目指す。その革新的技術のひとつが、産業活動から排出されるCO₂を回収して貯留するCCSと、これを有効に利用する技術、CCUS。国際エネルギー機関(IEA)のレポートによれば、CCUSは2070年までの累積CO2削減量の15%を担い、カーボンニュートラル達成時に約69億トン/年の削減貢献をすることが期待される。しかしながら、日本にはCCSに特化した法令がないため、CO2の分離・回収設備については、「高圧ガス保安法」や「労働安全衛生法」などを適用し、CO2の海底下の地中貯留については「海洋汚染防止法(海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律)」を適用した。一方、圧入井を掘削することや、圧入時の安全基準などは存在しないため、「鉱業法」、「鉱山保安法」などに準拠した。今後、産業化を目指すには、これらの法規制を整え、事業環境を整備することが必要である。
ルルレモン・アスレティカ lululemon athletica 北米のスポーツ衣料の小売業社。米国デラウェア州に本社を置き、カナダ・バンクーバーに本部を置く。1998年にヨガパンツなどのヨガウェアの小売業者として設立され世界各地に約500の店舗を展開、オンラインでも商品を販売している。Lululemonは、パフォーマンスシャツ、ショーツ、パンツなどの様々なアスレチックウェアに加え、ライフスタイルアパレルやヨガアクセサリーの販売も行っている。ルルレモンは日本国内ではまだ広く知られていないが、アメリカとカナダではヨガやランニングなどのスポーツ用だけでなく普段着としても愛用され、認知度が非常に高いブランドだ。価格帯は主力のレギンスパンツで1万円台半ばと安くないが、着心地の良さや機能性の高さが特徴で、大半の商品には吸汗性と縦横に伸びるストレッチ性が備わっている。ここ数年は海外展開やEC(ネット通販)にも注力し、業績は好調だ。ルルレモン・アスレティカの2020年1月期の売上高は前期比21%増の39.7億ドル(約4260億円)、営業利益は同25.9%増の8.8億ドル(約951億円)と2ケタの増収増益を記録した。