3. ユーロ圏景況感指数
IHSマークイットが1日発表した9月のユーロ圏製造業購買担当者景気指数(PMI)改定値は58.6と、高水準を維持した。ただ、サプライチェーンの目詰まりが大打撃となり、インフレ圧力が高止まりしている。速報値は58.7、8月は61.4だった。生産指数は55.6と、8月の59.0から低下。PMIは50が好不況の分かれ目となる。IHSマークイットのチーフ・ビジネス・エコノミストは「ユーロ圏の製造業は9月も力強いペースで拡大したが、伸びは著しく鈍化した。生産者はサプライチェーンの逆風が強まっていると報告している」と指摘。「供給面の問題が、引き続き欧州の多くの製造業に大損害を与えている。過去四半世紀近く例のない比率で、遅れや不足が報告されており、目先、改善の兆しは全く見えない」と述べた。供給面の制約で原材料コストは上昇。投入価格指数は86.9と、8月の87.0からほとんど変わっていない。ただ、企業はコスト上昇分の一部を顧客に転嫁しており、産出価格指数は、夏季に記録した過去最高水準に迫った。
※民間企業であるマークイット社が発表するユーロ圏製造業購買担当者景気指数(PMI)とは,景気転換の先行指標であり,製造業の購買担当者へのアンケート調査をもとに指数化したもの。数値が前回より上回った場合,対象国の通貨は買われやすくなる。ESI(欧州委員会景況感指数)は企業や消費者のマインドを表し,国内総生産(GDP)と似た動きを示す代表的な景気指標である。同指数は50が活動拡大と縮小の分かれ目。