景気動向指数 2021.08

5. 内閣府景気ウォッチャー調査

7月の現状判断DI(季節調整値)は、前月差0.8ポイント上昇の48.4となった。家計動向関連DIは、住宅関連が低下したものの、小売関連等が上昇したことから上昇した。企業動向関連DIは、製造業等が低下したことから低下した。雇用関連DIについては、低下した。7月の先行き判断DI(季節調整値)は、前月差4.0ポイント低下の48.4となった。家計動向関連DI、企業動向関連DI、雇用関連DIが低下した。なお、原数値でみると、現状判断DIは前月差2.3ポイント上昇の47.7となり、先行き判断DIは前月差5.5ポイント低下の47.1となった。今回の調査結果に示された景気ウォッチャーの見方は、「景気は、新型コロナウイルス感染症の影響による厳しさは残るものの、持ち直している。先行きについては、感染症の動向を懸念しつつも、ワクチン接種の進展等によって持ち直しが続くとみている。」とまとめられる。

※地域の景気に関連の深い動きを観察できる立場にある人々の協力を得て,地域ごとの景気動向を的確かつ迅速に把握し,景気動向判断の基礎資料とすることを目的とする。調査は毎月,当月時点であり,調査期間は毎月25日から月末である。本調査業務は,内閣府が主管し,下記の「取りまとめ調査機関」に委託して実施している。各調査対象地域については,地域ごとの調査を実施する「地域別調査機関」が担当しており,「取りまとめ調査機関」において地域ごとの調査結果を集計・分析している。

2.物流・購買・調達・サプライチェーン関連記事抜粋:令和3年7月1日~7月31日

1)7月1日~15日

 主題概要
1空気圧縮機も不適切検査三菱電機:鉄道のブレーキ設備 10年間で1000台出荷していた
2三菱地所、丸の内「顔パス」に30万の人流分析、消費最前線に オフィス大家から変身
3医薬原料調達で「脱中国」塩野義など生産国内回帰へ 依存度下げ安定確保
4比即席麵の大手:代替肉で米欧へモンデ・ニッシン、上場で1100億円調達 健康志向追い風:普及見越し成長加速
5花王「水平リサイクル」導入  化粧品ボトル、世界初の実用化 9割以上が再生素材
6ウイグル問題:太陽光発電に影パネル主原料、5倍の高騰 供給不安、設備見直しも
7防衛省、サイバー人材増強660人→1000人超(23年度までに) 高度化対処、民間も採用:NTTなど
8ファイザー、劣る創薬資金力ワクチン売上高2.9兆円も株価不振 特許切れ、買収で補えず
9コマツ、工事コスト半減へ3Dで現場再現:建機・人を最適化 中国勢台頭、土俵変える
105000社で調達を相互補完貿易システム、日本とアジア太平洋結ぶ 三菱商事など7社、開発
11米政権、大企業寡占にメス大統領令「価格上昇の原因」 M&A審査厳しく:実効性には不透明さも
12欧米10社、EV比率5割に30年の世界販売、計2000万台超 アウディなど専業転換
13モバイル決済、乱戦模様グーグル、プリン買収合意:検索やAI技術に強み 遅い脱現金、開拓に余地
14カルテル、西日本で横行?独占禁止法:九州電力など計4社に疑い 企業向け電力販売で互いの顧客を「不可侵」とする

2)7月16日~31日

 主題概要
1ウイグル供給網:間接取引も警戒米規制拡大、シリコンなど20業種 トクヤマ、三次サプライヤーまで調査
2車部品トップ10、規模倍増首位ボッシュ2.3倍、欧州勢が躍進 電動化、大手寡占促す
3豪鉄鉱石、人材難で供給源リオティントなど、移動制限響く 中国向け出荷支障も:価格押し上げ要因に
4医療・産業材料でM&Aキヤノン御手洗会長、来年めど 新事業比率、25年に4割
5脆弱な日本、中国の標的に  米の情報アクセス狙う 手口巧妙化、国力にも連動
6米CEO高額報酬に批判業績悪化でも微減、株高恩恵 GE・スタバ、株主反対
7ENEOS、仮想空間で新燃料石油代替、高速解析で開発へ 脱炭素、投資家ら圧力
8東南アジア経済、コロナで打撃車販売急減、工場も停止 デルタ型猛威、感染連日最多
9車素材高騰、脱炭素の壁に電動車向け、リチウム1年で倍以上 大手6社:1兆円減益要因
10中国、市場締め付けの必然格差深刻、成長後回しに 中国ハイテク株の時価総額減少目立つ
11越の鉄鋼大手:東南アジア首位にホアファット・グループ、台湾系抜く 航路に4000億円;能力7割増へ
12「空調大国」へ:インド官民指導ダイキン、新工場で一貫生産 政府、奨励金で後押し
13ニチレイ、16兆データ駆使冷食5分で生産計画 多品種少量・消費に即応
14日野・いすゞ中国勢と火花EVトラック、来年発売 航続距離100キロまず宅配:電池コスト・充電に課題

≪用語解説:記事内の用語を確認しましょう≫

医薬原料調達で「脱中国」:後発薬原材料の主な調達先 出所:厚生労働省
医薬品原材料とは医薬品の有効成分が含まれる原薬やそのもとになる化学物質。国内回帰の動きがあるのは主に後発薬の原材料だ。後発薬は公定価格が安く抑えられており、製造原価を下げる目的で原材料生産の海外移転が進んできた。
モンデ・ニッシン
フィリピンの食品大手モンデ・ニッシンは、フィリピン証券取引所に上場した。同国最大の新規株式公開(IPO)で、資金調達額は486億ペソ(約1100億円)。食品飲料分野に限れば東南アジアの中でも最大といい、上場を通じて事業拡大や雇用増を狙う。同社は、設立から40年の歴史があり2020年度の売上高は約680億ペソ。インスタントヌードルやビスケットなどを製造販売しインスタントヌードルでは圧倒的な国内シェアを有し「Lucky Me(ラッキー ミー)」というブランド名で親しまれている。ビスケットやクッキーなど国内でシェアの高い商品を多く持つ。グループ内では「代替肉」事業などを手掛けて成長事業と位置付け、製品の一部はインドネシアやタイなど周辺諸国にも輸出されている。英国の代替肉(植物性たんぱく)メーカー「クオーン」を買収、傘下に収めている。社名に「ニッシン」が入っているが、日清食品など日本企業との資本関係は全くない。
花王「水平リサイクル」導入 回収→分解→同じ用途
使用済みの化粧品のプラスチックボトルを回収し、分解・再生して同じ用途で使う取り組み「水平リサイクル」と呼ばれる。
ファイザー、劣る創薬資金力
新型コロナワクチンの売上高は2021年に260億ドル(約2兆9000億円)に達し、収益を押し上げる見通しだが、創薬にかけられる資金余力が競合大手に対して劣勢となっている。
5000社で調達を相互補完
日本を含むアジア太平洋地域の7カ国・地域をオンライン貿易システムでつなぎ、企業が効率よく部品などを調達できる体制を整える取り組みが始まる。
HOA PHAT GROUP JOINT STOCK COMPANY Hoa Phat Group ホアファット・グループ
ベトナム鉄鋼大手ホアファット・グループが粗鋼生産規模で東南アジア最大手の地位を固める。今春に台湾系でJFEスチールも出資するフォルモサ・ハティン・スチール(FHS、ベトナム)を抜き東南アで首位に浮上。約4000億円を投じる高炉の新設でさらなる増産体制を敷く。中国に頼らず鉄鋼製品の母材を国内でほぼ自給できる体制を整える。 主な事業           ・電気炉方式での製鋼、圧延により建設用鋼材(棒鋼、形鋼)、鋼板、鋼管を生産・販売 ・オフィス・家庭・学校向け家具・室内装飾品 (机、椅子、棚等)の生産販売 ・都市区開発・工業団地の建設投資 ・電気製品の生産販売・組立・設置・修理・メンテナンス(エアコン、冷蔵庫、洗濯機など) ・鉱産物の採掘販売(鉄鉱石等) ・建設用機器の製造・販売 ・飼料生産、肉牛飼育・養鶏・養豚等
車部品トップ10、規模倍増
世界の自動車部品上位10社の売上高が、環境規制が本格化した2000年度比で倍増している。欧州勢の拡大が顕著で、首位の独ボッシュは2.3倍、3位の独ZFは6.6倍だった。M&A(合併・買収)で電動化に必要な技術を取り込むメガサプライヤーの存在感が高まる。
モバイル決済、乱戦模様 グーグルがプリン買収合意
 
「空調大国」へ、インド官民始動 ダイキンは一貫生産
インドで、エアコンの一大製造拠点を目指す動きが広がっている。現地最大手のダイキン工業や地元企業が工場の新増設を計画。政府も振興策を講じ、2029年に国内生産量で19年比8倍の4000万台を目指すもようだ。視線の先にあるのが、アフリカなどへの輸出だ。高温や地域で異なる気候特性を生かし、技術力に磨きをかける。
HOA PHAT GROUP JOINT STOCK COMPANY Hoa Phat Group ホアファット・グループ
ベトナム鉄鋼大手ホアファット・グループが粗鋼生産規模で東南アジア最大手の地位を固める。今春に台湾系でJFEスチールも出資するフォルモサ・ハティン・スチール(FHS、ベトナム)を抜き東南アで首位に浮上。約4000億円を投じる高炉の新設でさらなる増産体制を敷く。中国に頼らず鉄鋼製品の母材を国内でほぼ自給できる体制を整える。 主な事業           ・電気炉方式での製鋼、圧延により建設用鋼材(棒鋼、形鋼)、鋼板、鋼管を生産・販売 ・オフィス・家庭・学校向け家具・室内装飾品 (机、椅子、棚等)の生産販売 ・都市区開発・工業団地の建設投資 ・電気製品の生産販売・組立・設置・修理・メンテナンス(エアコン、冷蔵庫、洗濯機など) ・鉱産物の採掘販売(鉄鉱石等) ・建設用機器の製造・販売 ・飼料生産、肉牛飼育・養鶏・養豚等